1次データと2次データの違いとは?マーケティングリサーチの情報源

1次データと2次データ

だいぞう

1次データとは、

  • 調査目的に合った方法で自分たちで独自に集めた情報

のことです。

また2次データとは、

  • 公開されているデータや販売されているデータ

のことで官公庁や調査機関などが提供している既存情報のことです。

さらに、加工によって新たな意味づけをされたデータを3次データと呼ぶことがあります。

1次データと2次データの違い

1次データと2次データの違いをまとめると、下の表のようになります。

1次データ 2次データ
自分で集めた情報 他者が集めた情報
調査の自由度が高い 調査の自由度が低い
自分(自社)だけが使える 競合他社も使える
収集に労力が必要 対価を払えば手に入る
データ収集に時間がかかる データがすぐに手に入る
調査目的と一致する 調査目的に一致しない可能性
企業単体で収集できる範囲の情報 企業で収集不可能な範囲の情報

マーケティングリサーチ(調査)では、これらの1次データや2次データを利用して分析を行います。

1次データ:ライバルと差をつけるための情報

1次データとは、マーケティングリサーチ(調査)において調査員(リサーチャー)自らが集めた情報のことです。英語では「Primary Data(プライマリーデータ)」と呼び、競合他社との差を生み出す重要な情報です。

調査員はマーケティングリサーチの目的に合わせて、調査方法を選ぶことができます。

調査方法は、

  • 質問法:調査対象に質問することで情報を集める
  • 観察法:調査対象の行動や反応を観察することで情報を集める
  • 実験法:実験によって特定の因果関係を調べる
  • フォーカスグループ:調査対象を数人集めて討論させて情報を引き出す
  • 行動データ:調査対象の購買記録や行動に関する情報を集める

の5つが代表的な方法とされています。

多くの場合、情報をゼロから収集することになるので、そのための時間や労力を必要とします。その一方で、調査の自由度は非常に高くなります。調査の目的、内容、規模、期間などを自分たちで自由に決めることができるため、予算に合わせて有用な情報を集めることができます。

また既に自社で持っている情報を1次データとして活用することもできます。例えば顧客の購買記録であるPOSデータなどから、調査目的に合った情報だけ抜き出して分析を行うことで、

情報鮮度の高さと意思決定

この1次データは、マーケティング戦略において、競合他社との差が一番大きく出てしまう要因でもあります。

どんな競争も「情報を制したものが戦いを制する」と言われているように、より質の高い1次データを手に入れた企業ほど、マーケティング戦略のみならず経営戦略全体を優位に進めることができます。

1次データでは、顧客などの調査対象者から直接情報を収集するので、情報の鮮度が非常に高いと言えます。鮮度の高い情報は、ビジネスを取り巻く環境の変化が反映されており、経営者の素早い意思決定につながります。その結果、競合他社に対して先手を打つことが可能になります。

独自情報による戦略の差別化

また1次データは、通常は自社内だけでしか利用しません。そのため、競合が利用できない情報源として、マーケティング戦略の差別化につながります。

もし自社も競合他社も同じ情報しかもっていなければ、選択できる最善の行動が限られるので、マーケティングの戦略も似たようなものになってしまいます。

しかし各社が1次データを収集することによって、戦略の選択肢の幅が大きく広がります。

例えば、既存の顧客から最近の流行を聞き出すことができれば、その情報を新しい別の顧客層への提案や新製品の開発に役立てることができます。また既存製品の不満やクレームを集約すれば、顧客満足度の向上や、既存製品の価値向上を期待することができます。

このように競合他社が持っていない独自の1次データを多く保有すれば保有するほど、競合他社との競争を有利に運ぶことができます。

1次データを販売する企業

世の中には、自社で収集した1次データを販売する企業や、そのデータをサービスに組み込む企業もあります。

例えばCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)の子会社であるCCCマーケティング株式会社は、Tポイント事業で収集した1次データなどを利用して、クライアント企業のマーケティングリサーチのサポートを行っています。


参考
CCC MarketingCCCマーケティング株式会社

CCCマーケティングは、Tポイントカードの利用者から購買情報を受け取る対価として、Tポイントの付与を行います。そのTポイントの原資となるのは、CCCマーケティングにコンサルティングを依頼するクライアント企業からの売上です。

CCCマーケティングは、Tポイント事業から得た1次データと、独自のマーケティングリサーチから得た他の1次データを組み合わせることで、非常に価値の高い情報提供を行っています。

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