購買意思決定プロセスとは、
- 問題認識:問題やニーズを認識する
- 情報探索:問題解決のために情報収集する
- 代替品の評価:複数の選択肢を評価する
- 購買決定:購買のために最終決定する
- 購買後の行動:購買決定そのものを評価する
の5つのステップのことであり、
- 消費者の購買決定行動を説明する基本的なモデル
になります。(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」p239 参照)
ちなみに「AIDMAの法則」「AIDAモデル」「AISAS(アイサス)」などのフレームワークは「広告反応モデル」と呼ばれるもので、この購買意思決定プロセスとは区別されます。
ここでは購買意思決定プロセスの流れについて、わかりやすく説明します。
目次
購買意思決定プロセスとは?
購買意思決定プロセス(購買決定プロセス)とは、
- 問題認識(Problem Recognition)
- 情報探索(Information Search)
- 代替品の評価(Evaluation of Alternatives)
- 購買決定(Purchase Decision)
- 購買後の行動(Post-Purchase Behavior)
の5つの消費者の購買行動のことで、英語では「Buyer Decision Process(バイヤー・デシジョン・プロセス、購買者決定プロセス)」と呼ばれます。
この購買意思決定プロセスの存在は、1910年にコロンビア大学の哲学者であるジョン・デューイ教授 によって提唱されたと言われています。しかしその後も様々な研究者によって、現在のような5つのプロセスに落ち着いたようです。
マーケティングの大家のコトラー教授も著書で、
マーケティングの専門家たちは、購買決定プロセスの「段階モデル」を開発した。
「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」p239より引用
と述べて、8名ほどの研究者の名前を挙げています。
この購買決定プロセスのモデルでは、
- 問題認識:問題やニーズを認識する
- 情報探索:問題解決のために情報収集する
- 代替品の評価:複数の選択肢を評価する
- 購買決定:購買のために最終決定する
- 購買後の行動:購買決定そのものを評価する
という5つの段階が存在していますが、消費者は必ずしも一直線で段階をたどるわけではありません。
- 段階の途中からスタートする消費者
- 段階を進んだり戻ったりする消費者
- 段階の途中で諦めてしまう消費者
- 途中の段階を飛ばしてしまう消費者
などなど様々です。
例えば「トイレットペーパーなんて安ければ何でもいい」と思っている消費者は、「自宅のトイレットペーパーがなくなった」と「問題認識」しますが、「情報探索」や「代替品の評価」を飛ばして、ドラッグストアの店の入り口に積まれているセールのトイレットペーパーを「購買決定」するかもしれません。
あるいは、パソコンを買おうと家電量販店に行った消費者は、比較検討(代替品の評価)をするために店員の話を聞いたら悩んでしまい、買わずに帰宅して「情報探索」の段階に戻ることだってあります。
このように、消費者の購買行動はモデルの流れの通りにならないこともあります。
しかし最も複雑な関与度の高い消費者のたどるプロセスは全て網羅しているので、どのようなタイプの消費者だったとしても参考になるはずです。
問題認識
購買意思決定プロセスの始まりは、消費者自身による「問題認識」です。
問題認識のプロセスは、
- 消費者が問題やニーズを認識する
ことです。
例えば、消費者がお昼時に街中で美味しそうな料理の看板を見かけたら、
と、食事の必要性(ニーズ)を認識します。これが「問題認識」です。
ニーズとは、
- 消費者が持つ課題の解決や目的を達成する必要性
のことで、
- 消費者が必要性に気づいていない潜在(せんざい)ニーズ
- 消費者が必要性に気づいている顕在(けんざい)ニーズ
に分けることができます。
ここで消費者が問題を認識するということは、
- 潜在ニーズを顕在ニーズに変える
ということです。
マーケターは、マーケティング活動によって消費者に問題意識を芽生えさせ、潜在ニーズを顕在ニーズへと変化させます。
情報探索
顕在ニーズとして「問題認識」をした消費者は、そのニーズを満たすための「情報探索」を行います。
情報探索のプロセスでは、
- 消費者が問題解決のために情報を集める
ことを行います。
まず、どれほどしっかり情報収集を行うかは、その消費者の製品やサービスに対する「関与度」によって決まります。
関与度とは、
- 消費者と製品やサービスの結びつきの強さ
のことで消費者の「関心の高さ」や「こだわり」といった言葉で表されます。
先ほどの「トイレットペーパーなんて安ければ何でもいい」と思っている消費者は、トイレットペーパーに対する関与度が低い消費者です。
逆に、パソコンを買おうと家電量販店に行ったにもかかわらず、買わずに戻って「情報探索」をした消費者は、パソコンに対する関与度が高い消費者だと言えます。
関与度が高い消費者は、解決策がまだハッキリしない状態から、様々なルートで情報を集め始めます。
消費者の情報収集の方法は、
- 内部探索:自分自身の記憶や知識から情報を集めること
- 外部探索:自分以外の情報源から情報を集めること
の2つのタイプに分けることができます。
関与が低い場合は、内部探索だけで終わってしまいますが、関与が高くなればなるほど外部探索に時間をかけます。
この外部探索の情報源としては、
- 個人的情報源:家族、友人、知人、同僚、SNSの書き込みなど
- 商業的情報源:広告、ホームページ、販売員、パッケージなど
- 公共的情報源:マスメディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)など
- 経験的情報源:試供品、試乗、試用、体験、デモンストレーションなど
の4つのグループがあります。
売り手側は、消費者が必要とする情報を必要とするタイミングで提供する必要があります。そのため、マーケティング活動でどのような情報源を経由して消費者に情報を提供するか、売り手側は考えなければいけません。
しかし、消費者は目の前のすべての情報を同等に扱うわけではありません。
どんな消費者にも「準拠集団」と呼ばれる、
- 消費者の行動や態度に影響を与えるグループ
が存在しています。
消費者は準拠集団から、
- 新しい行動やライフスタイルを個人に示す
- 個人の態度や価値観に影響を及ぼす
- 個人が周りと同じ選択をするようなプレッシャーを与える
といった影響を受けます。
そのためマーケターは、消費者がどのような情報源から情報を仕入れるかだけでなく、どの準拠集団の影響を強く受けているのかも考える必要があります。
また、消費者が集めた様々な情報は、すべて消費者の記憶に残るわけではありません。
消費者は「知覚プロセス」を通して、記憶したいものだけしか記憶しません。
なぜこのようなことが起こるかというと、
- 選択的注意:消費者は特定の刺激にだけ選択的に注意を向ける
- 選択的歪曲:消費者は先入観に合うように情報を解釈する
- 選択的記憶:消費者は自分の態度や信念を裏付ける情報を記憶する傾向がある
といった3つのプロセスで情報を選別するからです。
このように消費者は、非常に複雑な過程を経て、売り手の情報を集め、整理し、記憶に残します。そして最終的に、消費者の「ウォンツ」が明確になります。
ウォンツとは、
- 課題や目的を解決するための具体的な手段に対する欲求
ことです。
消費者は情報収集をした結果、認識した問題を解決するたの具体的な手段を見つけることができるのです。そしてその手段を手に入れたいという「欲求」が生まれます。
例えば、「パソコンが欲しい!」「ジムに通いたい!」「冷たい飲み物が欲しい!」といった、より具体的な欲求がウォンツに該当します。
…と、ここまでの流れは関与度が高い消費者の場合の情報探索で見られるものです。多くの消費者は、日々の購買決定で上記で説明した内容の一部のみを行ったり、全く情報収集を行わないこともあります。
そのようなバラバラな消費者の行動を大まかに分類すると、
- 定型的問題解決:すでに十分な知識があるので購買決定に時間をかけない
- 限定的問題解決:十分な知識がないため購買決定にある程度時間をかける
- 拡大的問題解決:知識が不足しているため購買行動に時間をかける
の3つのパターンに分けることができます。
定型的問題解決
定型型問題解決を行う消費者は、関与度が低い製品やサービスに対してあまり時間をかけずに購買決定を行います。製品やサービスに対して特にこだわりがないものの、安価であったり何度も買っていて十分な知識がある場合などは、いつも同じように(定型的に)購買を行います。
先ほどの例では、「トイレットペーパーなんて安ければ何でもいい」と思っている消費者が定型的問題解決に該当します。いつものお店で「一番安いトイレットペーパー」を定型的に購買します。
限定的問題解決
限定的問題解決を行う消費者は、中程度の関与度の製品やサービスに対して、ある程度の時間をかけて購買決定を行います。強いこだわりがあるわけではないけど、適当に選ぶわけにもいかない場合などは、情報探索にある程度限定的に時間をかけます。
例えば、会社の飲み会の幹事を頼まれた消費者は、普段は飲み屋への関与度が低かったとしても、失敗するリスクを避けたいので、ある程度の情報収集を行います。これは飲み会といったイベントによって一時的に消費者の関与度が引き上げられた状態であり、消費者は限られた時間でそれなりの外部探索を行います。
拡大的問題解決(発展的問題解決、包括的問題解決)
拡大的問題解決を行う消費者は、関与度が高い製品やサービスに対して、十分な労力や情報収集を行います。問題を解決するための情報が不足している上に、情報収集に時間と労力をかけなければならないようなリスクがあるケースが該当します。
例えば先ほどのパソコンを買おうとしていた消費者は、パソコン選びに失敗すると金銭的なリスクや利便性の低下による生産性のリスクを負ってしまう可能性があります。
そのため、
- パソコンメーカーの違いがわからない
- パソコンの機能一覧の内容が理解できない
- 必要なパソコンソフトがわからない
などといった状況であれば、購買によるリスクを下げるために十分な情報収集を行います。
代替品の評価
消費者は「情報探索」によって知識を得たら、製品やサービスの「代替品の評価」を行います。
代替品の評価のプロセスは、
- 消費者が複数の選択肢から比較と評価を行う
ことになります。
先ほどの「情報収集」によって得られた情報から、消費者の「ウォンツ(どんな製品やサービスが必要なのか?)」は明確になりました。
しかしウォンツという欲求だけでは、消費者は製品やサービスを買いません。
製品やサービスを選ぶためには、
- 基本ウォンツ:具体的な解決の方向性に対する欲求
- 条件ウォンツ:解決の方向性を選別するための条件
- 期待ウォンツ:当然満たされるべきと思っている暗黙の事柄
というウォンツの3つの視点から評価をする必要があります。
消費者が比較検討する製品やサービスは、
- 基本ウォンツ:具体的な解決の方向性に対する欲求
を最低限満たす必要があります。
まずは様々な選択肢の中から、基本ウォンツを確実に満たすものを選別し、さらに他の条件や期待する内容も満たせるのか評価を行います。
しかし3つのウォンツに当てはまるだけでも、評価として不十分です。
同様に重要なのは「価格」であり、消費者が「支払い能力の壁」を越えられるかどうかです。
消費者はどんなに素晴らしい製品やサービスを見つけたとしても、予算に合わなければ買いません(買うことができません)。
そのため、選択肢の評価(代替品の評価)の最後の壁は「価格」だと言えます。売り手であるマーケターは、マーケティング施策として融資やサブスクリプション化(購読型課金方式)など消費者が支払い能力の壁を超える手助けも行う必要があります。
その具体的な手助けの内容は、下記の記事に書いているの参考にしてみてください。
購買決定
消費者は製品やサービスの評価を完了したら、いよいよ「購買決定」の段階に移ります。
これは、
- ウォンツがデマンドに変化するタイミング
とも言い換えることができます。
例えば「パソコンが欲しい!」というウォンツが、「A社の〇〇というパソコンを買うぞ!」というデマンドに変化するのが「購買決定」です。
デマンドとは、
- 消費者の支払い能力が伴う特定の商品やサービスへの需要
のことで、消費者が「特定の商品」に対して「支払い能力の壁」を越えた状態のことです。
消費者は複数の選択肢から購買の対象となる製品やサービスを絞り込み、支払い能力の壁を越えることができることがわかれば、最も評価の高いものに対して購買の意思決定をします。
しかし何をもって「最も評価が高い」のかは、消費者によって違います。この違いをヒューリスティック(発見的手法:複雑な物事をシンプルな基準で判断する方法)の視点から説明したのが「消費者の選択ヒューリスティックモデル」です。
選択ヒューリスティックのモデルは、
- 連結型ヒューリスティック:最低水準をすべて満たす最初の候補を選ぶ
- 辞書編さん型ヒューリスティック:最も重要な属性で最高のものを選ぶ
- 属性排除型ヒューリスティック:重要な属性から消去法で選ぶ
の3つに分類することができます。
これはウォンツの中でも、
- 条件ウォンツ:解決の方向性を選別するための条件
に主眼をおいた購買の意思決定になります。
連結型ヒューリスティック
連結型ヒューリスティックは、消費者が評価しようとしているすべての条件において、最低基準を満たすことができた最初の候補を選ぶ方法です。
例えば消費者がトイレットペーパーを選ぶときに、
- 無地(柄なし)
- シングルロール
- 12ロール以上入っている
- 1ロールあたり50m以上
- 通常価格より値下がりしている
という条件を持っていた場合に、これらの基準をすべてを満たすトイレットペーパーが目に入った瞬間に、買い物かごに入れるのが連結型の選び方です。
この方法では、最初に見つかった時点で購買決定をするので、他にも同等かそれ以上の条件を満たす製品やサービスがあった場合でも、より良いものを探そうとはしません。
辞書編さん型ヒューリスティック
辞書編纂型(じしょへんさんがた)ヒューリスティックでは、消費者自身が知覚することができる最も重要な属性において、一番優れている製品やサービスを選ぶ方法です。
例えば、ある消費者が最も重要視する属性が「色」であり、自分が求める「赤色」に最も近い色の製品だけを選ぶ場合は辞書編纂型に該当します。
もしその消費者がパソコンを買おうとしても、赤色のカラーパターンがないパソコンのモデルは選択肢に入りません。逆にとても気に入った赤色のパソコンがあれば、その製品の性能がどうであれ購入を決めてしまいます。
他にも「ブランド」が判断基準になる消費者も多くいます。「よくわからないから〇〇ブランドの製品を買っておこう」とか「どれもほとんど同じだから〇〇ブランドにしておこう」と考えるのも辞書編纂型ヒューリスティックの選び方です。
属性排除型ヒューリスティック
属性排除型ヒューリスティックは、最も重要な属性や条件から消去法で絞り込んでいく選び方です。
例えば、ある消費者のパソコンに対する選定条件が、
- CPUの性能
- メモリの容量
- 画面の大きさ
という順番で重要だったとします。
その場合、まず最初に「CPUの性能」で消費者の希望を満たせないものはすべて排除します。そして次に、選択肢として残った製品の中から「メモリの容量」の条件を満たせないものを排除します。もしここで選択肢が1つになっていれば、購買決定になります。逆にまだ複数残っていれば、次の「画面の大きさ」で条件を満たせないものを排除します。…というように、属性や条件を満たせないものをどんどん排除していって、1つだけ残ったものを買うのが属性排除型ヒューリスティックです。
購買決定をためらう要因
消費者は購買決定の対象を絞り込めたとしても躊躇う(ためらう)ことがあります。
その代表的な購買妨害要因は、
- 他人の態度
- 知覚リスク
の2つです。
他人の態度では、
- 消費者が好きなブランドに対して他人がどれだけ否定的か
- 消費者が他人の意見にどれだけ合わせようとするか
によって購買が阻害される可能性が高まります。
また消費者の知覚リスクでは、
- 機能的リスク:期待した機能が得られない可能性
- 身体的リスク:肉体的に悪い影響がある可能性
- 心理的リスク:精神的に悪い影響がある可能性
- 金銭的リスク:支払った対価と見合わない可能性
- 社会的リスク:利用することで他者に嫌がられる可能性
- 時間的リスク:代わりになるものを探す手間が発生する可能性
といったリスクが購買の決定を妨げます。
つまり、購買決定では消費者本人の意思決定だけでなく、他人の考えや、購買後のリスクの影響も考慮する必要があります。
購買後の行動
消費者が製品やサービスを購買したとしても、マーケティング活動は終わりません。
消費者は購買の後に、
- その購買決定は本当に正しかったのか?
ということを評価します。
マーケターは、そのような顧客の行動をマーケティングで次の購買行動につなげなければなりません。
消費者自身の購買決定の正しさを測る方法として「顧客満足度」があります。
顧客満足度とは、
- 顧客が認識できた製品やサービスの質が顧客の期待を上回った時の充足感
およびその度合いのことです。
消費者は「購買決定」前に製品やサービスに「期待」を持ちます。そして購買後にその期待を上回る「充足感」を得ることができれば「満足」します。逆に期待を下回ってしまえば、その製品やサービスがどんなに素晴らしくても、消費者は満足度を得ることはできません。
消費者の満足度は行動にも現れますが、売り手はアンケートなどを使って顧客満足度調査を実施して確認することが一般的です。
顧客満足度のアンケート結果は、そのままでは使えないので「満足度インパクト分析」などで、消費者の満足度が低く、且つ重要な項目を洗い出して改善につなげます。
顧客満足度の他にも、消費者の購買後の行動を知るための考え方として「顧客ロイヤリティ」があります。
顧客ロイヤリティとは、
- 売り手側と長期的な関係を維持しようとする買い手の忠誠心
のことで、その度合いによって、
- リピーター:2回以上のリピート利用をしたことがある
- プロモーター:友人や知人に製品やサービスを推奨する
- ファン:関係性を維持するために支出を惜しまない
の3つのレベルに分類することができます。
消費者に顧客ロイヤリティが芽生えれば、繰り返しの購買の可能性を高めるだけでなく、売り手の代わりに情報の発信も行います。
そのため、マーケターは購買後のマーケティング施策では、顧客満足度の向上に努めるだけでなく、顧客ロイヤリティの向上も考えなければいけません。
この顧客ロイヤリティを管理する方法が「CRM(顧客関係管理)」です。
CRM(顧客関係管理)は、
- 顧客ロイヤリティを最大化するために顧客との接点を管理すること
であり、
- 顧客を特定する
- 顧客を分類する
- 顧客と交流する
- 製品やサービスをカスタマイズする
といった4つのステップを踏むことで、購買に至った消費者(=顧客)を管理します。
このようにして、また消費者の次回の購買意思決定プロセスが繰り返されていきます。
購買意思決定プロセスまとめ
以下は、ここまで説明した内容を簡単にまとめたものです。
問題認識のプロセスとは?
問題認識のプロセスは、
- 消費者が問題やニーズを認識する
ことです。
具体的には、
- 消費者が必要性に気づいていない潜在(せんざい)ニーズ
が、
- 消費者が必要性に気づいている顕在(けんざい)ニーズ
に変化することが問題の認識になります。
情報探索のプロセスとは?
情報探索のプロセスでは、
- 消費者が問題解決のために情報を集める
ことを行います。
しかし消費者は毎回時間をかけて情報収集するわけではありませんん。
事前に持っている情報量に応じて、
- 定型的問題解決:すでに十分な知識があるので購買決定に時間をかけない
- 限定的問題解決:十分な知識がないため購買決定にある程度時間をかける
- 拡大的問題解決:知識が不足しているため購買行動に時間をかける
という行動のバラツキが生まれます。
代替品の評価のプロセスとは?
代替品の評価のプロセスは、
- 消費者が複数の選択肢から比較と評価を行う
ことです。
消費者は商品やサービスを選ぶために、
- 基本ウォンツ:具体的な解決の方向性に対する欲求
- 条件ウォンツ:解決の方向性を選別するための条件
- 期待ウォンツ:当然満たされるべきと思っている暗黙の事柄
というウォンツの3つの視点から評価をすると言われています。
購買決定のプロセスとは?
購買決定のプロセスでは、
- ウォンツがデマンドに変化する
といったことが起こります。
例えば、「パソコンが欲しい」という抽象的なウォンツが「〇〇社の〇〇モデルのパソコンが買いたい」という具体的なデマンドに変化する、といった状況です。
このような特定の商品やサービスが選ばれるパターンとして、
- 連結型ヒューリスティック:最低水準をすべて満たす最初の候補を選ぶ
- 辞書編さん型ヒューリスティック:最も重要な属性で最高のものを選ぶ
- 属性排除型ヒューリスティック:重要な属性から消去法で選ぶ
の3つの「選択ヒューリスティックモデル」が存在しています。
購買後の行動のプロセスとは?
消費者は購買後に、
- その購買決定は本当に正しかったのか?
ということを評価します。
その結果が「再購買」「クチコミ」などといった行動につながります。
売り手はこの消費者の購買後の評価を測るために、
などを行います。