エクセルでのNPVの計算
話はNPVに戻りますが、ここからはエクセルなどの表計算ソフトを使った計算方法を説明します。またおまけとして、IRR(内部収益率)関数の計算も説明します。
ページの最後にエクセル形式のテンプレートにリンクしているので、ダウンロードをして使ってください。
NPV関数を使った計算方法
まずはNPV関数を使った場合の計算方法を説明します。
エクセルのNPV関数は、
- =NPV(割引率, 1年後の数値, 2年後の数値, 3年後の数値, …)
という形でセルを指定します。
ここで注意しなければならないのは、
- NPV関数は0年後(今)の数値を含めることができない
ということです。
要するに、初期投資額は計算に含めてもらえない、ということです。
そのため、正味現在価値を計算するためには「NPV関数」だけでは不十分で、
- NPV関数の計算結果から初期投資額を差し引く
必要があります。
ということで、逆にややこしいのでNPV関数はあまりオススメしません。
NPV関数を使わない計算方法
次にNPV関数を使わないエクセルでの計算方法をご紹介します。
これは単純に、
- 毎年のキャッシュフローを計算して
- キャッシュフローを現在価値に割り引いて
- すべての現在価値を合算する
ということを、ひとつずつやるだけです。
まずはキャッシュフローを計算します。
これらを差し引きすることで、年ごとのキャッシュフローの合計が計算されます。(テンプレートのように入ってくるお金(CIF)と出ていくお金(COF)を分けておけば、条件を変えて簡単に再計算することができます。)
そして次はそれぞれで「現在価値」を求めます。
PV(現在価値)の計算式自体は最初にご紹介したものと同じで、
- 現在価値 = キャッシュフローの合計値のセル ÷ (1 + 割引率)^年数
で計算しています。
そしてすべての現在価値を求めることができたら、それらを合算します。
ここでは計算範囲を指定して、SUM関数で処理しています。
これで、正味現在価値(NPV)が算出されます。
IRR関数での計算方法
おまけですが、エクセルを使ったIRR(内部収益率)の計算方法も説明しておきます。
エクセルのIRR関数は、
- =IRR(初期投資額のセル:最後のキャッシュフロー)
という形でセルを指定します。
IRR関数がNPV関数と違うのは、
- 初期投資額を計算に含めてくれる
ということです。
この点はNPV関数よりも計算が楽かと思います。逆に、初期投資額を二重で引いてしまわないように気をつけてください。
テンプレートのダウンロード
今回の例で使用したNPV(正味現在価値)法のエクセルテンプレートは、こちらからダウンロードできます。もちろん登録不要でご利用いただけます(メールアドレスなど不要)。
NPV(正味現在価値)計算用テンプレート(無料:エクセル形式)
- NPV(正味現在価値)計算用テンプレート
が収録されています。
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