ターミナルバリューの計算方法:CF発生にタイムラグ
今度は先ほどの設定を少し変えて、
- 初期投資額:200万円
- 2年後から発生する毎年のキャッシュフロー:100万円
- 割引率:5%(0.05)
- 成長率:なし
としてみます。
この場合は、2年後以降のターミナルバリューを計算したとしても、それは1年後時点での現在価値になります。
そのため、1年後時点のターミナルバリューをさらに現在価値(PV)に割り引く必要があります。
1年後時点のターミナルバリューを初期投資と同じ時点に割り引くため、
- 「1年後時点の継続価値」の現在価値 = 2000 ÷ (1 + 0.05)^1 = 1904.7619…
という計算を行います。
その結果、2年後から発生するキャッシュフローの初期投資時点の現在価値がわかり、NPVを計算することができました。(※計算結果は小数点以下を四捨五入)
ターミナルバリューの計算方法:成長率を考慮した計算
今度は「成長率(永久成長率)」を含めた計算を行ってみたいと思います。
ここでは条件を、
- 初期投資額:200万円
- 毎年のキャッシュフロー:100万円
- 割引率:5%(0.05)
- 成長率:3%(0.03)
としてNPV(正味現在価値)の計算を図に表してみます。
基本的には最初の例題とほとんど同じですが、キャッシュフローが毎年3%ずつ増える部分が異なっています。
そのため今回はターミナルバリューの計算式の「成長率(永久成長率)」の欄も含めて計算を行います。
ターミナルバリューの計算は、
- TV = 100 ÷(割引率0.05 − 成長率0.02)
- TV = 100 ÷ 0.02
- TV = 5000
となります。
この数値から初期投資額を差し引けば、NPV(正味現在価値)を計算することができます。
ターミナルバリューまとめ
以下は、ここまで説明した内容を簡単にまとめたものです。
ターミナルバリューの計算式は?
ターミナルバリュー(継続価値)の計算式は、
- 起点年度の継続価値 = 翌年度以降の見込み利益 ÷(割引率 ー 成長率)
です。
割引率には借入金の利子率の数値などを使い、成長率には市場の成長率や事業に期待する成長率などの数値を使います。
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