ヒト・モノ・カネ・情報
ヒトモノカネ情報とは、日本国内で定着している経営資源を構成する4つの要素のことです。
- ヒト:人材や組織
- モノ:在庫や設備
- カネ:資金や予算
- 情報:技術やノウハウ
ひと昔前は、経営資源といえば「ヒトモノカネ」でした。
そこに「情報」が加わって、いまでは「ヒトモノカネ情報」の4つが経営資源を指すことが多くなっています。
さらに別の要素を加えて5つとか6つにしている場合もありますが、内容が重複していることもあるので必要に応じて使い分けましょう。
ヒト
4つの中でも、最も重要な要素とされています。「ヒト」つまり人材は、残りの3つの要素を生み出したり消費したりする唯一の存在だからです。
「モノ」「カネ」「情報」を活かすも殺すも「ヒト」次第。
だから採用・配置・教育・評価などの人事施策は、経営資源全体をうまく動かすために重要です。
また組織構造も「カネ」「モノ」「情報」の流れに大きな影響を与えます。人事だけでなく、組織そのものの構造も考えなければなりません。
モノ
主に在庫や設備などが「モノ」に該当します。
「ヒト」が「モノ」に手を加えることによって、価値が生み出されます。
その価値が「カネ」に変換され、ビジネスの循環が生まれます。
カネ
「カネ」は現金はもちろんのこと、どのように資金を調達してどう活かすのかを考える財務の視点も外すことはできません。
企業を循環する血液のような「カネ」ですが、他の3つの要素「ヒト」「モノ」「情報」を動かすために「カネ」は必ず必要になります。
情報
情報は社内で生まれるものもあれば、社外から入ってきて蓄積されるものもあります。
研究結果やノウハウは社内で蓄積されます。顧客のデータ、取引先や競合の情報などは外から入ってきます。
ビジネスを行えば様々な情報が生まれ得られますが、その情報を大切な経営資源として活用する必要があります。
経営資源 ≒ ケイパビリティ?
バーニー教授は著書の中で「経営資源」という言葉と「ケイパビリティ」という言葉を「同義語として扱う」と述べています。
ケイパビリティとは、
- 一連の戦略的なビジネスプロセスとそれを実行するための能力
のことですが、ケイパビリティは「財務資本」「物的資本」「人的資本」「組織資本」という4つの資本をうまく活用しなければ発揮することはできません。
そういった意味では、ケイパビリティも経営資源の一部であり、経営資源から発生する企業の能力と言えます。