アマゾンの戦略ループ「善の循環」まとめ
ここまで、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が描いた「善の循環(ヴァーチュアス・サイクル)」について、解説しました。
あらためて図の全体を見てみると、ひと目で戦略を理解することができますよね。
もう一度、この戦略の循環を振り返ってみると、
- 顧客体験を高めれば高めるほど訪問者が増える
- 訪問者が増えれば増えるほど出品者が増える
- 出品者が増えれば増えるほど品揃えが増える
- 品揃えが増えれば増えるほど顧客体験が高まる
という1つ目の循環と、
- 事業が成長すればするほど低コスト構造がすすむ
- 低コスト構造がすすむほど低価格が実現できる
- 低価格が実現できるほど顧客体験が高まる
という2つ目の循環が重なることで、お互いに強化し合う構造を持っています。
このような「〇〇すればするほど〇〇する」という「因果関係」で、物事の仕組みを説明する手法を「システム思考」と呼びます。
システム思考とは?ループ図を使った事例でわかりやすく解説【初心者向け】
システム思考を使えば、アマゾンのような複雑かつ強力な事業戦略も、誰でもわかるように表現できてしまいます。
今回ご紹介した「善の循環(ヴァーチュアス・サイクル)」も、アマゾンの採用ページに大きく掲載されているほどなので、世界中のアマゾン従業員で共有されているはずです。
そして、社員全員が経営者と同じ事業戦略を理解するということは、他の会社にはなかなか真似のできないことで、アマゾンの強さのひとつになっていることは間違いありません。
あなたの会社はどうでしょうか?
社員全員が経営者の戦略を理解し、同じ方向に一丸となって向かっているでしょうか?
もしそうでなければ、あなたも自分の勤めている会社の戦略を、アマゾンの善の循環のような図に落とし込んでみるのも面白いかもしれません。
余談ですが、YKK株式会社は経営理念の価値観として「善の巡環」というスローガンを掲げていますが、アマゾンの「善の循環」とは全く無関係の別物です。
興味のある方は検索してみてください。ちなみに正しく「善の循環」で検索してもYKKの「善の巡環」しか出てきませんが、「アマゾン 善の循環」で検索すればアマゾンの方が表示されます。
以下の記事では、さらに詳しく解説しているのでぜひご覧ください。