ビズリーチの強さ①:市場絞り込みによる売上単価向上
ここからは、ビズリーチ特有の要素について解説します。
まず挙げられるのは、
- 市場絞り込みによる売上単価向上
です。
ビズリーチは「ハイクラス」「即戦力」「転職」という労働市場に特化しています。つまり、単純労働や短時間労働、新卒採用などには対応していないということ。(なお、就活生向けに「ビズリーチ・キャンパス」というサービスがありますが、OB/OG訪問のマッチングサービスです。)
ハイクラス転職市場への絞り込みによる効果
この絞り込みがビジネスモデルにどう影響するでしょうか?
上図では、ハイクラス転職市場への絞り込みが、
- ブランドの信頼性の向上
- 採用ごとの仲介手数料の向上
につながっていることがわかります。
ブランドの信頼性という面では、ハイクラスな仕事と報酬を提供できるような企業と、即戦力になる優秀な人材が集まることで、「ビズリーチ」というブランドとプロフェッショナルなイメージが結びつきます。その結果、ブランドの信頼性を向上させることにつながります。
また仲介手数料については、一般的に転職者の年収の何%と決まっているため、年収が高くなればなるほど採用ごとの仲介手数料が増えます。そして、逆も然り。そのためハイクラス(高年収・高収入)に市場を絞れば、ビズリーチの儲けは増えます。
まったく逆の戦い方に特化したタイミー
ちなみにまったく逆の市場を狙ったのが、単発・短期バイトに特化した「Timee(タイミー)」です。
ビズリーチもタイミーも、ジャンルとしては同じ採用プラットフォームです。「即戦力」を「直接採用」できるという点は同じですが、それ以外の部分は大きく違います。
ビズリーチ | タイミー |
高い年収 | 作業に応じた時給 |
長期的な雇用 | 単発・短期の雇用 |
丁寧な面接 | 面接なし |
ビジネスを比較すると、
- 高年収人材を必要な数だけ採用してもらうビズリーチ
- 単発短期アルバイトを大量に繰り返し採用してもらうタイミー
という感じ。タイミーは回転率をいかに高めるかが勝負になります。
そのために、
- 相互評価データでバイト面接を不要にする
- QRコードで雇用契約が締結できる特許の取得
- 雇用主に代わってバイト代を即日入金する仕組み
など、求人企業側の手間を極限にまで減らし、採用の回転率を高める戦略をとっています。
ビズリーチと比較すれば、タイミーは薄利多売の傾向があるとも言えます。(悪い意味ではなく、純粋に収益構造に違いがあるということです。)