3C分析とKSFに基づく企業戦略:大前研一の戦略的三角関係

3C:顧客に基礎を置いた戦略

「顧客に基礎を置いた戦略」とは、顧客のセグメンテーションを行い、対象の顧客グループが持つニーズに全力で対応する戦略です。

このセグメンテーションの方法は、2つあるとされています。

  • 目的関数に基づくセグメンテーション:ニーズによるセグメンテーションを行います。
  • 顧客カバレッジによるセグメンテーション:限られたマーケティング予算の範囲で、他社と十分に差別化ができるセグメントのみを狙います。

3C:自社に基礎を置いた戦略

「自社に基礎を置いた戦略」とは、KSFに関連する機能分野に着目して、そこに経営資源を集中させて競争優位性を維持する戦略です。

機能とは「原料調達」や「販売」など、一連の活動の中の個別の役割のことです。

具体例としては、

  • KSFで販売代理店の地域カバー率が重要なので、新規の販売代理店開拓に営業力を集中させる
  • KSFで人材育成によるサービス品質の向上が重要であるため、採用と育成に経営資源を集中させる

などの戦略が該当します。

3C:競合相手に基礎を置いた戦略

「競合相手に基礎を置いた戦略」とは、3つの利益決定要素「価格」「販売量」「コスト」のいずれかに関連する他社との違いに着目して、ハッキリと差別化が可能な部分に経営資源を集中させる戦略です。

具体例としては、

  • KSFがブランド認知度で、自社の方が高級なブランドイメージがあるためマーケティングに注力し価格と販売量を引き上げる
  • KSFはコスト優位性であり、自社は設計力が高いため生産コストを削減する設計に注力し利益率を高める

などの戦略が該当します。

もう一つの3C分析

今回ご紹介した戦略的三角関係を使った3C分析の他に、アレンジされたマーケティング環境を分析するための3C分析があります。こちらの記事もご覧ください。

3C分析とは?無料テンプレートと事例:スターバックス

おすすめの書籍

「KSF(カギとなる成功要因)」や「3C分析(戦略的三角関係)」については、こちらの「StrategicMind(ストラテジックマインド)2014年新装版」で詳しく説明されています。

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