コアコンピタンス分析のやり方
ここからはフレームワークを使って、実際にコアコンピタンス分析を行う手順をご紹介します。
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コアコンピタンス分析用テンプレート(無料:パワーポイント形式)
大きな模造紙やホワイトボードに、付箋を貼っていく方法をおすすめしますが、パワーポイントなどのスライドでも作成できます。
まずは下図のようなフレームワークを、大きな模造紙やホワイトボードに用意してください。
スペースの半分を「コンピタンス」のために空けておくことをおすすめします。
まずは事業名を付箋に書いて貼ります(赤い付箋)。そしてその周りにその事業に関する「最終製品(商品やサービス)」を思いつくままに貼っていってください。
次に最終製品のベースとなっている「コア製品」を考えます。
コア製品とは、家電であれば「小型モーター」「コンプレッサー」「制御基板」など、最終製品を構成するパーツをイメージしてください。自動車であれば「エンジン」「サスペンション」「シート」などです。サービス業であれば、「顧客サポート」「店舗レイアウト」「高スキル人材」などです。
事業や最終製品に欠かせない「コア製品」と思われるものを、貼り付けていってください。
ここではまだ「本当にコア製品かどうか」は判断しなくても大丈夫です。
コア製品の候補が上がったら、今度は最終製品と線でつないでみましょう。
コア製品(の候補)と最終製品をつないでみると、複数の最終製品と繋がるものとそうでないものに分かれます。
ここでは分析をしやすくするために、
- 最終製品に繋がっていない候補
- 1つの最終製品としか繋がっていない候補
を分析から外します。
これでコア製品を絞り込むことができました。
今度は「コンピタンス」を考えてみましょう。
先ほどの「コア製品」を見ながら、どんな技術がベースになっているのか付箋を貼っていきます。
ここでもあまり深く考えず、思いついた技術をどんどん貼っていってください。
十分な量の「コンピタンス」の候補が挙がったら、今度はグループにまとめてください。
貼った位置を張り替えてもいいですし、書き加えても大丈夫です。
関連する技術をグループにして、「〇〇力」や「〇〇する技術力」などと名前を付けましょう。
グループ化した技術力に含まれない付箋も出てきますが、気にしないでください。
どのグループにも分類できない微妙な項目も出てくるので、無理に分類せずにそのままにしておきましょう。
技術力をグループ化したら、それが「コンピタンス」になります。
それらの「コンピタンス」と関連が深い「コア製品」と線でつないでみてください。
ここまで分析すれば、重要な技術力が何であるかが見えてきますね!
ここからはもう一つの分析シートを使って分析します。
別の模造紙やホワイトボードに、下図のようなフレームワークを描いてみて下さい。
コンピタンスを書き込む欄と、コアコンピタンスの三条件を評価する欄があります。
では早速、グループ化したコンピタンスの付箋を移動させてみましょう。
「コンピタンス」の列に、コンピタンスの名前を書いて、先ほどの付箋を貼り付けていきます。
次にコンピタンスが、「コアコンピタンスの3つの条件」に当てはまるかどうかを評価します。右の欄に「〇」か「×」を付けましょう。
「多様な市場参入可能性」は、その技術力を使って様々な分野で事業を展開できるかどうかを考えます。もしその技術が、現在の事業でしか役立ちそうになければ「×」になります。逆に今後もその技術を使って、様々な業界に参入できそうであれば「〇」になります。
「最終製品の価値への貢献」は、最終顧客に対してその技術力が価値を提供することに繋がっているかどうかです。その技術を使うことで、顧客が他の商品より価値を感じたり、問題を解決できるようになっていれば「〇」です。逆に、その技術を使っても使ってなくても価値が変わっていなければ「×」です。
「模倣困難性」は、その技術力が競合他社に真似されにくいかどうかです。他社が実際に真似をするかどうかは別として、その技術を真似ることが難しければ「〇」を、簡単であれば「×」を書き込んでください。詳しい内容は、こちらの記事も参考にしてください。
最後にコアコンピタンスを特定します。
特定するのはとっても簡単。3つの条件に全て「〇」があるものが「コア・コンピタンス」になります。
先頭の「コア」の列に、印をつけましょう。
コアコンピタンスにならなかったその他の技術も、「〇」が1つでもついていたら通常の「コンピタンス」です。もし全て「×」になった技術力があれば、「コンピタンス」ではない可能性が高いです。