コアコンピタンス分析のやり方:事業を生み出す技術力を見つける方法

コアコンピタンス分析

コアコンピタンス無力化戦略

自社のコアコンピタンスが見つかれば、新しい製品を生み出したり、異なる分野の事業に参入しやすくなるなど、戦略に活用することができます。

しかしそれは競合他社も同じです。

競合他社のコアコンピタンスが、あなたの会社のコアコンピタンスより強力で価値のあるものであれば、競争で不利になってしまうかもしれません。

そこで考えるのが「コアコンピタンス無力化戦略」です。

競合のコアコンピタンスを特定する

コアコンピタンス無力化戦略とは、文字通り競合他社のコアコンピタンスを特定し、無力化してしまおうという戦略です。

やり方は先ほどのコアコンピタンス分析と同じですが、まず競合他社のコアコンピタンスを特定します。業種にもよりますが、競合の製品やサービスをしっかりと研究すれば「コンピタンス」を想像することができます。

そして競合の「コンピタンス」や「コア・コンピタンス」にあたりをつけて、無力化する事業戦略を考えます。

コアコンピタンス無力化戦略の具体例

競合のコアコンピタンスを特定して無力化する、とひとことで言っても想像しにくいかもしれません。

ということで、わかりやすい事例としては掃除機メーカー「ダイソン」の日本市場参入があります。

ダイソンが日本の掃除機市場に参入するまでは、日本メーカーは、

  • 掃除機の静音性
  • 掃除機の機動性(小回り)

を競争の軸にしていていました。

日本の家電メーカーは「静音性」や「機動性」を実現するための「コンピタンス」を持っていて、そこで激しく競争をしていました。

しかしダイソンは日本市場に参入した際に、

  • 変わらない吸引力

というキャッチフレーズでマーケティングを行いました。

そして、ダイソンは日本の電機メーカーの「コンピタンス」を無力化することに成功します。

ダイソンの市場参入後は、

  • 吸引力の変わらない掃除機
  • 紙パックが不要の掃除機

を評価する消費者が増えました。「静音性」が低くても、吸引力があれば売れるようになったのです。

日本メーカーは「静音性」や「機動性」を実現する技術力の価値が下がってしまい、新たにサイクロン掃除機を開発するためのコンピタンスを手に入れなければならなくなってしまいました。

このように、競合他社のコンピタンスを特定できれば、自分たちのコンピタンスはそのままに、マーケティングでビジネスを有利に進める戦略も行えるのです。

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DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部
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