RFM分析とは?Excelで新規客・常連客・離反客・一時客を分類する方法

RFM分析

RFM分析の顧客4タイプ

RFM分析のバブルチャートを作ると、顧客を4つのタイプに分類することができます。

RFM分析のバブルチャート

それぞれ、

  • 新規客:最近利用しているが利用頻度が低い顧客
  • 常連客:最近も利用しているし利用頻度が高い顧客
  • 離反客:昔はよく利用していたが最近は見かけない顧客
  • 一時客:利用頻度が低く最近は見かけない顧客

という状態の顧客です。

ちなみに常連客のことを「優良顧客」、一時客のことを「非優良顧客」などと表現する場合もあるようですが、その顧客が優良であるかどうかとは直接関係しないため、ここではそのような表現を使いません。(そもそも顧客を優良・非優良などと区別するのも、売り手の傲慢さが滲み出ている感じがするので、筆者はあまり好きではありません。)

新規客

RFM分析の新規客

RFM分析バブルチャートの右下に位置するのが、

  • 新規客:最近利用しているが利用頻度が低い顧客

です。

もっとも最近に製品やサービスを利用した顧客が、新規客の象限に分類されます。どんな顧客もこの場所からスタートするため、この時点での親近性や頻度に敏感になる必要はありません。

逆にここで気にしなければならないのが、

  • 金額
  • 顧客の数

です。

金額」はバブルの円の大きさですが、適切な金額であるかどうかを確認します。どのような製品やサービスでも、初回に顧客が支払う平均的な客単価があるはずです。その値を基準として、新規客の使った金額が多いのか少ないかを判断します。

例えば、セールの直後などにRFM分析を行えば、客単価がいつもより高く、一定期間を過ぎた後には「一時客」がたくさん発生するかもしれません。これはセール品目的で一度にたくさん購入し、セールが終わった後には顧客が戻ってこなくなっているような状態です。

しかしセールなど何もしていないのに、急に客単価が高くなっていたり、逆に客単価が著しく低くなっている場合には、その理由を探らなければなりません。

また新規客に分類される「顧客の数」についても、推移を確認する必要があります。先ほどの例のようにセールなどを行えば、一時的に急増するでしょうし、何もしてなければ横ばいかもしれません。また季節性のある製品やサービスであれば、該当する時期に正常に増えているのか減っているのかを確認する必要があります。

常連客

RFM分析の常連客

RFM分析バブルチャートの右上に位置するのが、

  • 常連客:最近も利用しているし利用頻度が高い顧客

です。

新規客がしっかりと製品やサービスに定着した場合や、一時客だった顧客の利用頻度が向上した場合に「常連客」が増えるようになります。

常連客が全体に占める割合は少ないものの、長期的な売り上げに対する貢献が高いことがほとんどです。これは他の顧客と比べて、常連客のLTV(ライフタイムバリュー)が長いためです。

ここで注目すべきは、

  • 金額
  • 定着率(= 常連客数 ÷ 新規客数)

の2点です。

金額については、新規客と同様に適切な金額であるかどうかを確認します。常連客として来店頻度が高まれば、それなりに累計金額も積み重なるはずです。そのため一般的にはバブルのサイズ(金額)が、新規客よりも常連客の方が大きくなるはずです。

そしてもう一つは常連客としての定着率です。どの顧客も最初は新規客の状態ですが、常連客の数と比較することで、どれくらいの顧客が常連客として定着しているかを計算することができます。定着率の計算は常連客の数を新規客の数で割ることで計算できます。

もし定期的に行うRFM分析で定着率が低下してれば、新規顧客の減少だけでは説明できない、何か別の理由が見つかるはずです。

離反客

RFM分析の離反客

RFM分析バブルチャートの左上に位置するのが、

  • 離反客:昔はよく利用していたが最近は見かけない顧客

です。

離反客は、過去に常連客だったものの、別の製品やサービスに切り替えたために利用しなくなった顧客などが分類されます。

ここで注意する必要があるのは、

  • 来店頻度が低いほど離反するタイミングの時差が大きい
  • 以前のRFM分析の結果と比較しなければ判断が難しい

ということです。

簡単に言えば、来店頻度が月に1度の顧客は、直近の利用から1ヶ月以上経たないと離反客になったかどうかを判断することができません。

逆に言えば、離反客に分類されたからといっても、たまたま利用の間隔が空いているだけの可能性もあるということです。

その辺りを判断するためには、以前のRFM分析の結果と一緒に状況を分析する必要があります。

一時客

RFM分析の一時客

RFM分析バブルチャートの左下に位置するのが、

  • 一時客:利用頻度が低く最近は見かけない顧客

です。

一時客は、何かのきっかけで製品やサービスを一度は利用したものの、その後の繰り返しの購買には至っていないような顧客です。

この一時客は先ほどの離反客と同様に、たまたまその顧客の利用頻度の間隔が長いだけなのか、完全に顧客が離れてしまっているのかを判断するのが難しいのが特徴です。

次のページでは、それぞれの顧客に対してどのようなマーケティング施策が考えられるかご紹介します。

1 2 3 4