パレートの法則とロングテールの違い
パレートの法則と関連して「ロングテール」も一緒に取り上げられる事があります。
これらの共通点は、
- べき乗則のグラフに従っている
という事であり、両者で違う部分は、
- ロングテールは割合の少ない方に焦点を当てている
- 80対20の比率は関係ない
という事です。
このロングテールの考え方は、1946年ごろから「度数分布(データを量の大小で並べ替えて各数値の個数を表示する) 」として研究され始め、金融や保険の分野でも使われるようになりました。そして1950年代に、フランスの数学者で経済学者でもあるブノワ・マンデルブロ教授 (フラクタルの概念で有名)によっても研究が進められ、マンデルブロ教授は「ロングテールの父」とも呼ばれているようです。
その後、2004年に米技術雑誌「Wired(ワイヤード)」の編集長クリス・アンダーソン氏 によって、台頭するオンラインショップやオンラインサービスの説明として「ロングテール」という考え方が世の中に広まることになりました。
このインターネットの普及によって生まれたロングテールとは、
- 実店舗で物理的に取り扱える品揃えとネットショップの品揃え
の差のことです。
リアルにお店を構える店舗は、
- 売り場面積
- 在庫量
によって品揃えに制限を抱えることになります。
そのため一般的には、
- 利益率の高い商品
- 在庫の回転が早い商品
- 集客できる商品
の優先度が高くなり、逆に、
- 滅多に売れない商品
- 集客能力のない商品
などの優先度が低くなります。
一方でオンラインショップやオンラインサービスは、
- 売り場に物理的な制限がない
- 在庫コストや物流コストが実店舗より低い
ことによって先ほどの、
- 滅多に売れない商品
- 集客能力のない商品
も品揃えに加えることができるようになります。
この実店舗とオンライン店舗の品揃えの差となる商品やサービスを「ロングテール」と呼びます。
そのため、商品カテゴリにも寄りますが、必ずしも実店舗での取り扱い商品数がオンラインショップの2割になるわけではありませんし、ロングテール商品の売り上げが全体の2割を超えることも普通にあります。
つまり、
- パレートの法則 ≠ ロングテール
ということになります。