トリプルメディアの事例:Facebook
トリプルメディアという言葉を聞くと、3種類の異なる媒体をイメージする人もいるかもしれません。
しかし1つの媒体で「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」「シェアードメディア」の全ての属性を持つ媒体も存在しています。
代表的な例は、Facebookなどのソーシャル・メディアです。
例えば、Facebook上で「Facebookページ」と呼ばれる専用のページを作成すれば、掲載する全てのコンテンツの内容をコントロールできる上に、コンテンツを蓄積させながら長期的に運用する事ができます。つまり、Fecebookというプラットフォーム上に「オウンドメディア」を作成できるという事になります。
また「Facebook広告」の機能を使えば「ペイドメディア」として運用できますし、Facebookの一般利用者の自発的な書き込みは「アーンドメディア」としての側面を持っています。さらに「いいね!」や「シェアする」といった機能でコンテンツを共有する事ができるので、「シェアードメディア」として考えることもできます。
このように1つの媒体でも、トリプルメディアの全てに当てはまるものもあるので、「SNS = アーンドメディア」という間違ったイメージには気をつける必要があります。
トリプルメディアを戦略的にとらえる
トリプルメディアは、それぞれがバラバラに存在しているわけではありません。
「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」「シェアードメディア」それぞれの特徴を理解した上で、必要に応じて戦略的に連携させることが重要です。
トリプルメディアの情報の流れ
トリプルメディアで最も信頼できる情報は、情報の発信元となる「オウンドメディア」です。もし、この「オウンドメディア」に十分な情報がなければ、顧客はアーンドメディアなどの一部の不確実なコンテンツも情報源にしてしまいます。そのため「オウンドメディア」による正しい情報の発信は重要になります。
「ペイドメディア」は広告や広告に準ずるプロモーションのコンテンツであるため、内容の根拠は「オウンドメディア」になりますし、「オウンドメディア」との整合性が情報の信頼性へとつながります。
また他者が自発的にコンテンツを掲載する「アーンドメディア」や「シェアードメディア」は、情報が流れ着く最終地点であるため、情報が正しく伝わらないことも多くあります。
例えば、ニュースサイトなどでは「オウンドメディア」の公式な情報を引用する場合が多く、情報の信頼性もある程度担保されます。しかし個人ブログなどになると、他のアーンドメディアやシェアードメディアの情報も根拠とするため正確な情報が伝わらないこともあります。
このようなことを防ぐためには、顧客が利用するSNSなどの媒体に公式アカウントなどでオウンドメディアの情報を発信し、正しい情報が共有されやすい環境を作ることが重要です。
トリプルメディアの顧客の流れ
発信された情報は、顧客に製品やサービスを認知させ、学習を促し、行動に移させる力もあります。
顧客が最も目にしやすいのは「ペイドメディア」です。バナー広告などのディスプレイ広告は、インターネットを利用していればホームページからアプリの中までいたるところに表示されます。聞いたことのない製品やサービスであっても、「ペイドメディア」によって顧客に「認知」させることができます。
また「シェアードメディア」などの「アーンドメディア」も、顧客が製品やサービスについて初めて認知する媒体になります。さらにニュース記事やブログ記事などで詳しく説明されていれば、顧客は製品やサービスについて「学習」します。
さらに興味を持った顧客は、ホームページやネットショップなどの「オウンドメディア」から「問い合わせ」や「購入」など直接的な「行動」を起こします。
このようにして、顧客はトリプルメディアに触れながら行動を変化させるので、それぞれの媒体に合わせたコンテンツの役割を企画し、トリプルメディア全体で大きな流れを作ることが重要です。
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