だいぞう
SWOT分析は、やり方次第で上手くいったり役に立たなかったりと、結構振れ幅のある状況分析フレームワークです。SWOT分析では、目標と照らし合わせながら強み・弱み・機会・脅威の4つのカテゴリを分析します。
SWOT分析を行うのに必要なのは、「SWOTマトリクス」と呼ばれるフレームワークです。
SWOT分析のやり方は、
- 分析メンバーを集める
- 目標を確認する
- 4つの要素を洗い出す
- 発想から行動を決める
- 行動の担当者と期限を決める
です。
ここでは、上記の手順をわかりやすく説明します。またSWOT分析用の無料のテンプレート(パワーポイント形式、登録不要)もダウンロードできます。
SWOT分析のやり方
SWOT分析は、
などというような時に使えるフレームワークです。
SWOT分析は状況分析フレームワークであり、
- 目標が決まった時
- 作戦の途中で上手くいってないことがわかった時
に最も力を発揮します。
そしてSWOT分析をするためには、「目標」を事前に明確にしておかなければなりません。
その目標に対して、
- 強み(Strengths)= 目標達成の助けになる × 内部の要因
- 弱み(Weaknesses)= 目標達成のさまたげになる × 内部の要因
- 機会(Opportunities)= 目標達成の助けになる × 外部の要因
- 脅威(Threats)= 目標達成のさまたげになる × 外部の要因
の4つの項目を検討します。
SWOT分析のより詳しい情報については、こちらの記事もご覧ください。
ここでは企業で事業やマーケティングの環境を分析することを前提に、やり方の手順を説明します。
個人で自己分析をする場合も、ほとんど同じです。内容を読み替えながら進めてみてください。
ここで使うSWOT分析テンプレートは、こちらからダウンロードできます。登録不要でご利用いただけます(メールアドレスなど不要)。
SWOT/クロスSWOT分析用テンプレート(無料:パワーポイント形式)
まずはSWOT分析を行うためのメンバーを集めましょう。様々な角度の視点がある方が、見落としが少なくなります。
事業単位であれば、営業・企画開発・生産・経理・人事などそれぞれの分野から横断的に優秀な人材を集めてください。
個人事業主の方は、仲の良い同業者に協力をお願いしましょう。自分一人でやるより、客観的な分析ができます。
SWOT分析を行うメンバーで、目標を確認しましょう。目標の認識にズレがあると、SWOT分析がうまく進みません。数値なども含め、具体的な目標を共有してください。
大きな模造紙やホワイトボードを4等分して、付箋に書き出した内容を貼っていきます。メンバーは付箋を貼る時に、「なぜ目標を達成する助けになる or 妨げになるのか?」を声に出しましょう。
また付箋を「事実(裏付けあり)」と「意見や発想(裏付けなし)」で色を変えておくと、分析がしやすくなります。
これらの4つの要素については、別の記事で詳しく解説しているので、そちらもご覧ください。
「弱み」や「脅威」に上がった項目を、「本当にそうなのか?」と疑うことも大切です。「弱み」と思っていたことを「強み」として捉えることで、ライバルの裏をかく戦略に繋がることがあります。
また「強み」や「弱み」については「ケイパビリティ」を中心に書くことをオススメします。ケイパビリティは経営資源に準ずる実行力のことです。詳しくは下記の記事も参考にしてください。
SWOTマトリクスを眺めながら、メンバー全員で下記のような内容を話し合ってみましょう。
- 不確かな情報が含まれていないか?
- 関連性の低い項目が含まれていないか?
- 上手く目標を達成するための、別のやり方はないか?
- 避けなければならない状況があれば、どうやって避けるか?
不要と思われるアイデアは取り除いて、マトリクスを整理しましょう。4つの要素をそれぞれ掛け合わせることで、発想が膨らみます。発想の中から次に何を優先的に取り組むか、具体的な行動を決定しましょう。
より深める方法として、クロスSWOT分析があります。こちらにも挑戦してみましょう。
何をするべきか決まったら、担当者と実施期限を決めましょう。担当者はその取り組みの結果を、メンバーや責任者に報告して、次の経営判断に活かします。
個別でSWOT分析を行って、ひとりずつ発表するような分析方法は適していません。目標を掲げて1つの模造紙やホワイトボードを使いながら、メンバー全員で4つの要素を埋めましょう。
また声の大きい人の意見に、全体が引っ張られることもあります。メンバーがそれぞれ均等に発言できる機会を作るなど、ファシリテーションにも工夫しましょう。
SWOT分析で出来ること出来ないこと
- 複数人で分析すること
- 目標を達成する可能性を高めること
- 経営資源の配分を外部環境の変化にマッチさせること
- 短期的な対応策を考えること
- ひとりで分析すること
- 目的(ゴール)や目標そのものを見直すこと
- 中長期的な戦略を考えること
SWOT分析では目標を達成するために、状況の変化をとらえながら経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を再配分する方法を考えます。内部のことから外部環境まで、幅広く情報を集める必要があるため、複数人で分析するのが理想的です。
自己分析のためにSWOT分析する場合でも同様に、友人や家族の視点も取り入れましょう。内容をまとめるのは自分一人でも、複数人から情報を集める方が質が高まります。
またSWOTマトリクスには「その時」「その瞬間」の内部や外部の状況が列挙されるため、短期的な対応策を考えるのには最適です。一方で、中長期的な戦略を考える用途には適していません。近い将来に起こりそうなことを見越して、今あるものをどう活かすを考えましょう。
SWOT分析の短所
このフレームワークの短所は、
- 目標を死守しようと視野が狭くなる
- 4つの要素以外の事柄に目が行きにくくなる
- 1つの要素を決定すると他の要素がその内容に強く引っ張られる
などが挙げられます。
SWOT分析では目標を判断の中心に据えるため、目標そのものが絶対的な存在になりがちです。そのためメンバーが、強引に目標を達成させるようなアイデアを出してしまうかもしれません。そんな時には、目標を達成しないことも視野に入れて議論しましょう。
要素の洗い出しでは、SWOTマトリクスの4つの要素に分類できない内容を排除してしまうことがあります。もし分類が難しいものが出てきたら却下せず、「分類不可能」というスペースに分類しておきましょう。
もう一つ注意しなければならないことは、1つの要素が強力すぎると、その他の要素の内容が引っ張られてしまうことです。例えば「営業力が圧倒的な強み」と社内の誰もが思っている場合は、初っぱなから何の疑いもなく「強み」の枠の中に「営業力」と書いてしまいがちです。
その結果、営業力以外の強みが思いつかなくなったり、営業力という強みに合わせるように、他の3つの要素を埋める作業になってしまうことがあります。その対策として、
- 誰にも明らかな事柄は一番最後に埋めるようにする
- 常に「目標に対して」どうなのか確認しながら進める
などを行うことをおすすめします。
SWOT分析の無料テンプレート
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SWOT/クロスSWOT分析用テンプレート(無料:パワーポイント形式)
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