マーケティングリサーチの「定量データ」と「定性データ」
冒頭でも簡単に説明しましたが「質問法」と「観察法」で扱う情報は、
- 定量データ:アンケートや統計など数値化できる情報
- 定性データ:感情や行動など数値化できない情報
に分けることができます。
定量データは「量的データ」とも呼ばれ、定量データで行う調査のことを「定量調査」「量的調査」などと呼びます。英語では「Quantitative Data(クオンティテイティブ・データ)」と言います。
また定性データは「質的データ」とも呼ばれ、定性データで行う調査のことを「定性調査」「質的調査」などと呼びます。英語では「Qualitative Data(クオリテイティブ・データ)」と言います。
同じ調査方法でも、定量・定性データの両方を使うことができるので、目的や調査したい内容に合わせて使い分ける必要があります。
定量データ(量的データ)
定性データを使った調査(定性調査)では、数値化することが可能な情報を集めます。
数値化することによって、統計学的な手法で分析ができるようになります。例えば、顧客アンケートの結果を数値化すれば、年齢や性別によって製品に対する印象に違いがあるのかを知ることができます。
また数値化することで、膨大な量のデータを一度に処理することができます。例えば、観察法では顧客の行動を調査員が一人一人観察することになりますが、画像処理技術を使って数値化すれば数千人数万人単位の行動を分析することができます。
定性データ(質的データ)
定性データを使った調査(定性調査)では、数字だけで測ることができない顧客の感情や意図に基づく情報を集めます。
例えば、定量的にサービスの質を5段階で評価してもらったとしても、「なぜ」その数値を選んだのかは本人に直接聞くまでわかりません。またPOSデータで特定の商品を購入したことがわかったとしても、その商品を選んだ理由や、逆にそれ以外の商品を選ばなかった理由まではわかりません。
そのため定性調査を行なって、調査対象者の内面を掘り下げることによって、より深い情報を得ることができます。しかし定性調査にはコストがかかり、定量調査ほど大量の情報を処理することができません。また情報に偏りがある可能性も高まります。
これらの特徴を理解した上で、定量調査を行うのか定性調査を行うのかを決定しなければなりません。
マーケティングリサーチ方法まとめ
ここまで紹介した調査方法をまとめると、
- 質問法:調査対象に質問することで情報を集める
- 観察法:調査対象の行動や反応を観察することで情報を集める
- 実験法:実験によって特定の因果関係を調べる
- フォーカスグループ:調査対象を数人集めて討論させて情報を引き出す
- 行動データ:調査対象の購買記録や行動に関する情報を集める
などがありました。
それぞれの方法にメリットとデメリットがあり、単体で行うだけでは精度の高いマーケティングリサーチを行うことはできません。
また質問法や観察法では、
- 定量データ:アンケートや統計など数値化できる情報
- 定性データ:感情や行動など数値化できない情報
のどちらも収集することができます。
選ぶ方法によって得られる情報は大きく違うため、予算が限られていても複数の調査方法を組み合わせることが重要です。