マーケティング・コンセプトとは?5つの志向と歴史の変遷

マーケティング・コンセプト

だいぞう

マーケティング・コンセプトとは、

  • 企業が行うマーケティング活動の基本的な考え方

のことです。

ここでは5つのマーケティング・コンセプトについて、わかりやすく説明します。

マーケティング・コンセプトとは?

マーケティング・コンセプトは、

  • 生産志向(生産コンセプト)
  • 製品志向(製品コンセプト)
  • 販売志向(販売コンセプト)
  • マーケティング志向(マーケティング・コンセプト)
  • 包括的マーケティング志向(ホリスティック・マーケティング・コンセプト)

5つのタイプに分けることができます。

それぞれのコンセプト(志向)は様々な時代背景によって登場してきましたが、古いマーケティングコンセプトが劣っているわけではなく、それぞれに適した環境が存在しています。

また1つの企業が5つのいずれかのコンセプトにぴったりはまるという訳ではなく、事業や業態によって複数が組み合わされ、その企業独自の志向を生み出します。

ということで、まずは最も歴史の古い「生産志向(生産コンセプト)」から。

生産志向(生産コンセプト)

生産志向(生産コンセプト)は、

  • 消費者は手頃な価格の製品やサービスを求めている

という視点から、

  • 生産性を高める
  • コストを下げる
  • 大量に流通させる

といったことの実現のために、経営資源を集中させる考え方のことです。

マーケティングコンセプトとしては最も歴史が古く、需要が供給を上回って物が不足していた時代に生まれた考え方です。

  • たくさんの人が困っているのに生産が追いつかない
  • たくさんの人に製品を手に取ってもらうために価格を下げたい
  • どこでも製品が手に入るようになれば多くの人が助かる

といった課題を解決し、多くの消費者の手に製品やサービスが届くように注力するのが経営者に与えられた使命となります。

このコンセプトは「規模の経済性」「経験曲線効果」などとの相性が良く、生産効率を高めることによって社会の需要に応えることを目的とします。

生産志向の考え方は、新興国などの供給が不足している地域の経営で見られますが、日本などの先進国でも生産性を重視する業態では生産志向に寄った企業運営がされています。

例えば、安価な価格設定がウリのファストフードチェーン店やファミリーレストランは、食品の加工・生産および流通、そして店舗でのオペレーションの効率化などで、多くの消費者に大量に安価な食事を届けます。

また、東南アジアに生産拠点を移したメーカーなども、安価で豊富な労働力と、効率性を高めた生産技術で生産志向を実現しています。

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