低関与を高関与に変える5つのテクニック
消費者にとって低関与の製品やサービスは、いつまでたっても低関与なわけではありません。
低関与の商品でも、
- 消費者の基本的欲求に訴える広告を打つ
- 消費者の関心がある社会問題と結びつける
- 消費者の関心がある特性を加える
- 消費者個人のニーズと結びつける
- 精緻化見込みモデルの中心的ルートの3条件を満たす
ことで、関与度を高めることができます。
そして消費者にとって関与度が高まれば、
- プレミアム価格の製品やサービスの利用
- 購買頻度の向上
などの変化が得られることがあります。
基本的欲求を利用した広告
基本的欲求とは、
- マズローの欲求段階説
- アルダファーのERG理論
などに代表される人間が持つ欲求のことです。
マズローの欲求段階では、「生理的欲求」「安全欲求」「所属と愛の欲求(社会的欲求)」「尊重欲求」「自己実現欲求」「自己超越欲求」の6つで欲求が表現されています。
またアルダファーのERG理論では、「存在の欲求」「人間関係の欲求」「成長の欲求」という3つの欲求で表現されています。
これらの基本的欲求は人間にとって普遍的なものであり、広告で打ち出すメッセージに基本的欲求に訴えかけるものであれば、消費者が重要だと捉えて関与が高まる可能性があります。
これだけだとイメージしにくいと思うので、コンサルタントのドルー・ホイットマン氏の「LF8(Life Force 8、生命の8つの力、生命の8つの躍動)」という、「クロージングの心理技術21 」「現代広告の心理技術101 」で掲載されているコピーライティングのテクニックをご紹介したいと思います。
LF8とは、
- 生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
- 食べ物、飲み物を味わいたい
- 恐怖、痛み、危険を免れたい
- 性的に交わりたい
- 快適に暮らしたい
- 他人に勝り、世の中に遅れを取りたくない
- 愛する人を気遣い、守りたい
- 社会的に認められたい
といった人間の基本的欲求のことです。
これらの8つの項目に触れるようなコピーやメッセージを広告で使うことで、消費者の関与を引き上げる可能性があります。
例えば、練り歯磨きを売るときに「生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい」という欲求に訴えかける場合は、「歯周病は様々な病気の原因となります。だから健康で長生きするためにデンタルケアは重要です。」という趣旨の内容を消費者に伝える、といった具合です。こうすれば単純に「歯周病を防ぎます。」とだけ伝えるよりも、消費者に選んでもらえる確率は高まります。
このように、消費者が人間の基本的欲求を満たそうと考えることで、製品やサービスとのつながりが強くなります。