マーケット・リーダーの戦略
マーケット・リーダーは、そのターゲット市場で最大のシェアを持つトップ企業のことです。トップ企業なので、基本的には1社のみを指します。経営資源の量は競合他社と比べて多く、技術力なども持ち合わせていて質も高いといえます。
マーケットシェア(市場占有率)では、寡占市場の場合はたった1社で市場シェアの50%前後を占めることもあり、細分化された市場でも20%前後を占めているといわれます。
マーケット・リーダーが取るべき戦略は「守りの戦略」であり、大きく3つあります。
- 市場そのものを拡大させる
- 市場シェアを守り抜く
- 市場シェアを拡大させる
まず市場が拡大すれば、その市場で大きなシェアを持つリーダー企業の売り上げも増大します。そのため、商品やサービスがより一層普及するように努めます。
またリーダー企業は、他の全ての企業から地位を狙われる立場にあります。現状の市場シェアを落とさず維持しなければなりません。さらに可能であれば市場シェアを拡大して、その地位を一層強固なものにする必要があります。
防御方法は様々なものが存在しています。
- ポジション防御:その市場で一番知名度の高いブランド地位を築きます。「〇〇と言えばA社の〇〇」というように、ブランド再生が行われる状況です。
- 側面防御:弱い分野や市場に経営資源を注ぎ込み、競合の侵略を防ぎます。
- 先制防御:相手より先にプロモーションや価格を下げる攻撃などを仕掛けることで、競合に攻撃を思いとどまらせます。
- 反攻防御:相手の攻撃に反応して「正面攻撃」「側面攻撃」「包囲攻撃」などを行います。攻撃に関しては後述を参考にしてください。
- 移動防御:新しい分野に事業ドメインを拡大します。
- 縮小防御:防御しきれない分野については戦略的に縮小・撤退を行い、浮いた経営資源を強い分野に再配分します。