どんな会社でもSBUを考えるべきか?
結論から言えば「イエス」です。必ずしもSBUを使って事業計画を立てる必要はないと思いますが、SBUという考え方は意識した方が良いです。
大きな企業ならSBUを考えることは当然ですが、小さな企業でも複数の製品があればSBUにグループ化することができます。
理由としては、
- 事業部や製品カテゴリという形式的な枠組みに囚われずに戦略を考えられる
ということが挙げられれます。
事業部や製品カテゴリという枠組みは、
- 昔からそうだから
- 他社もそうしているから
- 業界の常識だから
など、「なんとなく」決まっている場合があります。
しかし本当に実現しなければならないのは、社会的な問題を解決したり、顧客のニーズを満たしたりすることです。そのためには「事業部」や「製品カテゴリ」というグループが、いつも適しているとは限りません。
また時代が変化すれば、昔の分類が適切ではなくなることもあります。顧客のニーズが変化したり、製品の役割が変化して製品カテゴリが変わったりもします。
しかしそういった時に毎回、部署を廃止して全員が異動していたら大変です。
でもSBUであれば、SBUマネージャを置くだけで仮想的にグループ化することができます。人材の物理的な移動や人事的な異動の必要はありません。
SBUを有効に使えば、組織構造はそのままで事業部や製品カテゴリという枠組みから抜け出し、環境の変化に合わせた戦略を考えることができるようになります。
SBUまとめ
SBUが生まれたのは、1950年代のアンゾフ・マトリックスに代表されるような多角化戦略で、企業の多角化が進んだことが背景にあります。
当時の大企業は、多角化した事業を整理するために「BCGマトリックス(PPM、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」などを駆使しました。
しかし単純に「事業部」として整理するだけでは、将来有望な製品カテゴリや製品を手放すことになるという問題に直面しました。
そこで1970年代に生まれた手法の一つが、この「SBU(ストラテジック・ビジネス・ユニット)」になります。
SBUとして分けることで、戦略的に「意味のある」グループ分けをすることができるようになりました。組織構造を大きく変えることなく、時代の変化に合わせてSBUを変化させることも可能です。
このように多角化した大企業のために生まれた「SBU」ですが、
- 事業戦略を考える上で意味のあるまとまり
として事業や製品をグループ化することは、本来とは別の枠組みとして認識するための有効な方法だと思います。
これを機に、あなたの会社でも事業や製品を「戦略として意味のある「SBU」としてグループ化するならどうなるか」を考えてみても面白いかもしれません。