インターナル・マーケティングとは?エクスターナルとインタラクティブとの違いも解説

インターナル・マーケティング

マーケティング戦略への理解を促すためのインターナル・マーケティング

もう一つのインターナルマーケティングとして、経営幹部や従業員に対してマーケティング戦略への理解を促すことで、企業全体が一丸となってマーケティングの施策を行うための体制づくり、という定義もあります。

こちらのインターナルマーケティングの定義は、「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」などのビジネススクールで使われている教科書で確認することができます。

マーケティングの大家であるコトラー教授は、

賢明なマーケターは社内向けのマーケティング活動も、社外向けのマーケティング活動と同等か、むしろそれ以上に重要なものだと認識している。社内スタッフにまだ提供する準備ができていないのに優れたサービスを約束するのはナンセンスである。

「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版」第1部第1章より引用

というように、従業員に向けたインターナルマーケティングが顧客に向けたマーケティング(エクスターナル・マーケティング)と同じくらい重要だということを著書で述べています。

この社内体制を整えるためのインターナルマーケティングが成立する条件としては、

  • マーケティング機能を担う部門が協力しあうこと
  • そのほかの部門もマーケティングを理解する

ことが挙げられます。

まず一番大切なのは、企業が実行しようとしているマーケティング戦略に直接的に関係している部署が、お互いに協力し合うことです。そのためには、特に経営幹部がマーケティング戦略に対する理解を深め、迅速に行動することが重要です。

例えば、マーケティング戦略として顧客のニーズを反映した製品改良を行い、ターゲット顧客が魅力的に感じる価格でプロモーションを行うためには、

  • マーケティング調査担当者
  • 製品開発部門
  • 財務担当者
  • プロモーション担当者

などが協力しなければ実現できません。

そのためには、それぞれの部門の意思決定権を持つ経営幹部がマーケティング戦略を理解し、人員や予算を動かす必要があります。

また現場レベルでも担当者が部門横断的に連携して、ギャップのすり合わせを行わなければマーケティング戦略を実行することができません。

しかしそれだけでは十分でなく、マーケティング戦略に直接関係しない部門においても、マーケティング戦略への理解を深めることが望ましいとされています。

なぜなら、

  • 顧客にとって企業は一体的な存在

だからです。

顧客にとっては、接点にいる従業員がその企業の代表者です。そして顧客が接する従業員の対応に一貫性がなければ、不満や不信感を感じます。そうならないためには、従業員全体がマーケティング戦略への理解を持って行動する必要があります。

もし全ての従業員が、

  • 自社が顧客に対してどんな価値を提供しようとしているか

をしっかり理解していれば、理解していない場合と比べて顧客対応の内容は大きく違うはずです。

そのためには、インターナルマーケティングを十分に実施してマーケティング戦略の理解を深め、企業全体で一丸となって戦略を実行できる体制を作らなければなりません。

エクスターナル・マーケティング

ここからはインターナルマーケティングの補足的な解説になります。

インターナルマーケティングは、「社内マーケティング」とも呼ばれます。これと対比して、社外に対する一般的なマーケティングのこと「エクスターナル・マーケティング(対外的マーケティング)」と呼びます。

エクスターナルマーケティングは、企業が顧客に対してマーケティングミックス(4P)を中心としたマーケティング活動を行うことです。

エクスターナル・マーケティング

インタラクティブ・マーケティング

インタラクティブマーケティングとは、

  • 顧客接点にいる従業員が顧客に直接的に行うマーケティング活動

のことです。

インタラクティブ・マーケティング

この顧客接点にいる従業員のことを、

  • コンタクトパーソナル(CP:Contact Personal)

と呼び、CPの能力が顧客満足度(CS)に大きな影響を与えます。

この顧客対応の質を高めるためには、

  • 社内業務をマーケティング対象として従業員満足度(ES)を高める
  • 計画したマーケティング戦略への理解を促して全社横断的な協力体制を築く

両方のインターナルマーケティングを実施することが重要になります。

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