One to One マーケティングとは?マスマーケティングとの違いも解説

One to One マーケティング(ワントゥワンマーケティング)

One to One マーケティングを成功させる5つの施策

先ほどの4つのステップでワントゥワンマーケティングを実施しても、それで終わりではありません。

実施したワントゥワンマーケティングの効果をさらに高めるために、様々な施策を行う必要があります。

One to One マーケティングを成功に導くために、

  • 顧客の離反を減らす
  • 顧客との関係性を強化する
  • 顧客の成長可能性を高める
  • 収益性の低い顧客を減らす
  • お得意様への追加投資を行う

などの5つの施策を考えることができます(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」p192より参照・加筆)

顧客の離反を減らす

顧客が自社の製品やサービスから離れてしまうのは、必要性がなくなったのか、より価値の高い競合他社の製品やサービスを見つけたかのどちらかです。

このような顧客の離反を減らすためには、定期的に自社の製品やサービスが選ばれている理由を見つめ直す必要があります。

顧客が自社を選んでいる理由を見つけるためのフレームワークとして、マーケティングの3C分析を行うことをお勧めします。

マーケティングの3C分析

マーケティングの3C分析では、顧客を中心に自社と競合他社のマーケティング環境を分析することで、顧客に提供している価値を理解することができます。

顧客との関係性を強化する

先ほどの「ステップ3:顧客と交流する」にも含まれますが、顧客との関係性を強化することで、

  • 顧客ニーズをより正確に理解できる
  • 顧客のスイッチングコストを高める

などの効果があります。

スイッチングコストとは、

  • ある製品やサービスから別の製品やサービスに切り替える場合に必要なコスト

のことです。

顧客との関係性を強化すればその顧客のことを深く知ることができますが、それは顧客にとっても同じです。顧客からすれば、自分のことをよく理解してくれている取引先を簡単に切り捨てることはできません。これは関係性の強化によって、顧客にとってのスイッチングコストが高まったことが理由です。

顧客の成長可能性を高める

顧客は、初めは購入金額が少なくても、適切なマーケティング施策を続けることによって、大きな売り上げを生み出す顧客に成長することがあります。

このように顧客が成長する可能性を高めるためには、アップセルやクロスセルという手法があります。

アップセルとクロスセルの意味はそれぞれ、

  • アップセル:顧客に上位の商品をすすめること
  • クロスセル:顧客に関連する商品をすすめること

です。

ワントゥワンマーケティングでは、アップセルやクロスセルをうまく組み合わせることによって、売上を伸ばすだけなく、顧客のニーズに柔軟に応えることができるようになります。

収益性の低い顧客を減らす

これは「ステップ2:顧客を分類する」でも説明しましたが、収益性の低い顧客を減らすことによって、より多くの顧客にマーケティングの予算を投下できるようになります。

この収益性の低い顧客を減らすためには、

  • 収益性の低い顧客を高い顧客に育てる
  • 収益性の低い顧客との縁を切る

などの方法があります。

もし収益性の低い顧客を、収益性の高い顧客に育てるのであれば、育てるために費やすマーケティング予算の上限を設ける必要があります。この上限の設定の仕方については、LTV(ライフタイムバリュー)などが参考になるかもしれません。

もしお金をかけても優良な顧客に育てることができなければ、一定の基準に従って顧客を切り捨てることも必要です。

お得意様への追加投資を行う

ワントゥワンマーケティングで、顧客との良い関係を保ち続けるためには、収益性の高い顧客に対してもさらなる追加投資を行う必要があります。

企業に大きな利益をもたらす顧客に対しては、それ相応の姿勢を見せる必要があります。

もちろん過剰すぎる対応は必要はありませんが、「釣った魚に餌をやらない」ようなことにならないように十分気をつける必要があります。

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