セグメンテーションのやり方具体例:ラーメン屋
ここでは、
- 地方都市のターミナル駅の商店街に立地しているラーメン屋
という設定で、具体的なセグメンテーションのやり方を考えてみましょう。
ラーメン屋には様々なお客さんが訪れますが、それぞれ異なったニーズやウォンツを持っています。
例えば、
- ニーズ:お昼時に駅前で手早く空腹を満たしたい
- ニーズ:寒い日に体が温まる料理が食べたい
- ウォンツ:ランチに美味しいラーメンが食べたい
- ウォンツ:飲み会の締めにラーメンが食べたい
などが考えられます。
もしラーメン屋の店主が、
- ニーズ:お昼時に駅前で手早く空腹を満たしたい
という市場セグメントを切り出すなら、どのような切り口(変数)を使えば良いでしょうか?
セグメンテーションでありがちな間違い
まずはよくありがちな例として、
- 男性
- 会社員
- 20代〜40代
でセグメントを切ったとします。
ここで考えなければならないのが、「20〜40代の男性会社員」の大多数が「お昼時に駅前で手早く空腹を満たしたい」というニーズを持っているかどうか、ということです。
実際はどうでしょうか? そんなことありませんよね?
- お昼時に勤務先の近場で空腹を満たしたい人
- お昼時はオフィス内で食事を取りたい人
- ランチは移動中に済ませたい人
- ランチで同僚とコミュニケーションを取りたい人
などなど、「20〜40代の男性会社員」という切り口(変数)では、様々なニーズが混在していてセグメンテーションに失敗してしまいます。(※ 年齢や性別でセグメント分することがダメという意味ではありません、今回のケースの切り口にはたまたま使えなかったというだけです。)
セグメンテーションはニーズを想像して行う
今度は消費者が「お昼時に駅前で手早く空腹を満たしたい」というニーズを持つ状況を想像しながら考えてみましょう。
例えば、
- 駅前なのは電車やバスに乗る前後だから
- 手早く空腹を満たしたいのは急いでいるから
という状況が想像できます。
そういった人はどんな人かと考えると、
- 登校前の大学生、営業職の会社員
- 駅の近くに出発地または目的地がある
- ラーメンに多少のこだわりがある
- 健康にあまり気を遣わない
- 食事の提供が早いことを期待している
などの特徴が浮かび上がってきます。
言い換えれば、上記の切り口(変数)を使うと、
- お昼時に駅前で手早くラーメンで空腹を満たそうとする顧客
を市場セグメントとして切り出せる可能性が高くなります。
ここまで来れば、上記の市場セグメントに対するマーケティングもかなりやりやすくなりますよね。
このように、
- 似通ったニーズやウォンツを持った消費者グループ
を探すことを意識して切り口(変数)を考えれば、効果的なマーケティングを行うことにつながります。
様々な切り口(変数)については、この記事の最後に一覧表を添付しているので参考にしてみてください。