ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)策定フレームワーク:MVVB分析

経営理念(ミッション・ビジョン・バリュー)の作り方

ここでは「すでに事業は進めているけど経営理念がない」というシチュエーションで手順を説明をします。しかし「ミッション」「ビジョン」「バリュー」「ビジネス」のどこからスタートしても問題はありません。(もちろん、経営理念をゼロから作り直そう!という場合でも使用できます。)

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ステップ1
事前調査を行う

まずは分析会議を行う前に、情報を収集しておきましょう。事前の情報収集を行うことで、経営理念が現実とかけ離れすぎることを防ぐことができます。

事前調査では、

  • 顧客に自社を人物に例えてもらう
  • 顧客に自社をどんな会社か一言で表現してもらう
  • 社員に自社をどんな会社か一言で表現してもらう
  • 社員に自社の文化や社風を言葉で表現してもらう
  • 社員に仕事で一番大切にすべきことを答えてもらう

などなど、自社がどのように認識されているか確認してください。お客様からの声などの資料があればそれも活用できます。気をつけなければならいのは、取引先や従業員が気を使って正直に答えない可能性があるということです。

ここではアンケート調査やグループインタビューの手法について言及しませんが、誘導尋問のような調査にならないようにだけは気をつけてください。回答者が気を使って答えた内容は、使い物になりません。

個人事業主や小規模事業者であれば、腹を割って話してくれる取引先や、仲の良い顧客などとの日常的な会話の中から聞き出すことも有効です。

内容のイメージが沸かなければ、こちらの記事もご覧ください。

経営理念の一覧:有名企業の企業理念の例まとめ

ステップ2
分析メンバーを集める

情報がある程度集まったら、メンバーを集めて分析を行います。

  • 創業者
  • 創業メンバー
  • 経営者
  • 経営幹部

上記の人は必ず参加する必要があります。また昔は現場で活躍していた経営者も、現場から離れると現場の空気感がわからなくなります。そのため顧客や取引先と直接的な接点がある人物にも、可能な限り参加してもらってください。

ステップ3
「ビジネス」の欄を埋める

メンバーが集まれば、分析会議を行います。今回の例では「ビジネス」からスタートします。まずは今行なっている事業を、具体的に付箋に書き出してください。付箋は下図のように仕切った、ホワイトボードや模造紙に貼り付けていきます。

複数の性質の違う事業を行なっている場合は、事業ごとに付箋を色分けしておくとわかりやすくなります。

経営理念の作り方:ステップ3ビジネス

ステップ4
「ミッション」の欄を埋める

「ビジネス」の欄が埋まったら、今度は「ミッション」の欄を埋めていきます。

  • 今の事業で社会に貢献するとしたらどう貢献できるか?
  • 自社の商品やサービスが社会に良い影響を与えるとしたらどんな場面か?
  • 自社の商品やサービスで社会問題の解決に役立っているものはあるか?

これらのことを考えながら付箋を貼っていきます。

ここで注意が必要なのは「社会的貢献」を、寄付や募金などの副次的な慈善事業とは切り離して考えることです。あくまでメインの事業を通して価値を提供し、その対価を受益者から受け取ることが前提です。なぜなら持続的な経営や会社の成長には、必ず価値の提供から生まれる利益が必要になるからです。

経営理念の作り方:ステップ4ミッション

ステップ5
「ビジョン」の欄を埋める

「ミッション」の欄が埋まったら、今度は「ビジョン」の欄を埋めていきます。

ミッションで挙がった社会的使命を果たすために、今の会社が将来的にどんな姿に変わることが望ましいかを考えます。

例えば、ミッションが「技術力で社会を〜」というのが候補に挙がっている場合は、ビジョンとして技術力をどれくらいまで高めなければならないか決めます。「技術的な特許の取得数」「技術者の人数」「独自技術を使用した製品の売上」などなど、会社の将来あるべき姿が具体的に想像できる内容を挙げてください。

経営理念の作り方:ステップ5ビジョン

ステップ6
「バリュー」の欄を埋める

「ビジョン」の欄が埋まったら、今度は「バリュー」の欄を埋めていきます。

ビジョンで挙がった状態になった時に、社員全員がどのような考え方を持って、どのように行動しているかを想像します。

例えば、することしないことを挙げてみましょう。「お客様のことを第一に考える」「従業員のワークライフバランスを第一に考える」などなど価値観によって考え方は様々です。

ここで注意することは、挙がった意見は否定せずに進めることです。どの価値観や行動が必要なのかは、この後のステップで調整します。

経営理念の作り方:ステップ6バリュー

ステップ7
一貫性のある組み合わせを見つける

MVVBマトリクスの4つの要素が埋まったら、事前調査の結果の登場です。事前調査の結果も眺めながら、4つの要素に一貫性が見られる内容をチェックしていきましょう。

もし一貫性が見られる内容が見つからなければ、事前調査の内容をしっかり読み込んでステップ4の「ミッション」を埋める作業に戻りましょう。

経営理念の作り方:ステップ7一貫性

 

ステップ8
選んだMVVBを整理する

経営理念の一貫性と事業の組み合わせに破綻がなければ、別の模造紙やホワイトボードに付箋を移動させます。移動させる時には、重複している情報をまとめたり、よりわかりやすい内容に書き換えたりなどの整理を行いましょう。

経営理念の作り方:ステップ8要素の整理

ステップ9
経営理念をまとめる

4つの要素の移動が済んだら、今度はそれぞれの内容を「1行」で表現してみます。その1行は全ての内容をカバーする必要はありません。

ここでの注意点は、文章が長くならないようにすることです。文章が長くなれば要点がわかりにくくなり、経営理念を浸透させる時に苦労します。たまに1枚の付箋にめちゃくちゃ長い文章を小さい文字で詰め込もうとする人がいますが、それは表現したいことの本質が見えてないということです。無理に長い文章を書かずに、頭の中でゆっくり整理しましょう。

  • 付箋1枚につき1行で表現する
  • 1行に書く内容は欲張りすぎずシンプルに

これらのことに気をつけながら、内容を考えてください。

「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の候補が上がったら、一貫性のある組み合わせを探しましょう。参加者全員が腹落ちする組み合わせが見つかれば、分析は終了です。

この分析で決まった内容を、より洗練された状態に清書したり、会社のロゴマークに反映させたりしましょう。

経営理念の作り方:ステップ9まとめる

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