PPM分析とは?花形・金のなる木・負け犬・問題児

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント

PPM分析の相対的市場シェアの軸と計算方法

BCGマトリックスの横の軸は「相対的市場シェア」です。

PPM:相対的市場シェア

この横軸は、単純に自社の製品や事業のシェアではなく、相対的なシェアになります。

例えばある製品の市場シェアが、

  • 自社:30%
  • A社:25%
  • B社:15%
  • C社:10%
  • その他:20%

だったとします。

相対的市場シェアを計算する場合は、

  • 自社の市場シェア
  • 自社を除く他社のトップの市場シェア

を使って計算します。

ということは計算に必要なのは「自社:30%」と「A社:25%」です。

計算式は、

  • 相対的市場シェア = 自社の市場シェア ÷ 自社を除く他社のトップの市場シェア

なので、

  • 相対的市場シェア 1.2 = 30% ÷ 25%

という計算結果になります。つまりここでの相対的市場シェアは「1.2」となります。

横軸の中心に来る相対的市場シェアは、通常「1」になります。(1以上に設定しても問題ありません。)

相対的市場シェアが「1」というのは、自社と競合他社が同じ市場シェアでトップ争いをしている状態です。

そして相対的市場シェア「1」を超える状態というのは、自社が市場シェアトップで、2位につける競合他社との差があるということになります。

つまり「花形」や「金のなる木」は、

  • 2位以下に差をつけてトップを独走している

ということです。

この横軸の相対的市場シェアは、「規模の経済性」や「経験曲線効果」にも強く関係していると言われています。そのため製造業などには向いているフレームワークですが、それ以外の「規模の経済性」や「経験曲線効果」が働きにくい業種では使いにくいかもしれません。

相対的市場シェアが高い製品は他社と比べて、

  • 大量に作ることでコストが下がる(規模の経済)
  • ずっと同じものを作ることでコストが下がる(経験曲線効果)

ことになり、他社に比べて利益が出やすい事業になります。

つまりそういった事業は、効率よくキャッシュフローを生み出してくれます。

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