スイッチングコストとは?意味と事例をわかりやすく解説

スイッチングコスト

関係性コスト(心理的コスト)

関係性コストとは、別の製品やサービスに切り替えることで生じる関係性に関する負担のことです。

心理的コスト」とも呼ばれますが、顧客の心理的な側面よりも、製品やサービスと顧客の間に存在している関係性に注目する必要があるため、ここでは「関係性コスト」と呼びます。

英語では「Relational Switching Costs(リレーショナル・スイッチング・コスト、関係性切り替え費用)」と呼ばれます。

関係性コストは、

  • 製品やサービス
  • 製品やサービスを提供する従業員
  • 製品ブランド・企業ブランド

などと、顧客との間に形成される関係性にまつわるコストのことです。

例によってスポーツジムの切り替えで考えると、

  • 長年使って愛着の湧いたトレーンングマシンが使えなくなる
  • 通っていたスポーツジムのスタッフとの関係性が失われる
  • 有名なスポーツジムに通っているというステイタスがなくなる
  • 新しいスポーツジムでスタッフと仲良くなる
  • 新しいスポーツジムでジム仲間を見つける

などが関係性コストに該当します。

一般的には、製品やサービスを利用する回数が増えたり、期間が長くなったりするほど、多くの関係性が顧客との間に生まれます。

そのため売り手側が何もしなくても、顧客が製品やサービスを利用し続ける限り、関係性コストも増え続けます。

だからと言って売り手側が何もしなくても良いわけではなく、さらに顧客の関係性コストが増える施策を行うことが重要です。

具体的には、

  • 顧客と従業員の接点を増やす
  • 顧客とブランドの接点を増やす
  • 顧客個人に向けたコミュニケーションを増やす
  • 顧客に製品やサービスに対する知識を提供する

などが考えられます。

顧客の関係性コストを増やすということは、顧客との関係性を強化することにもなります。そのため、製品やブランドへの顧客ロイヤルティ(ご愛顧)を高めることができるので、積極的に施策を行うことが重要です。

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