スイッチングコストとは?意味と事例をわかりやすく解説

スイッチングコスト

スイッチングコストが高い製品・サービス

スイッチングコストが高い製品やサービスの代表的なものとして、

  • 医療機関
  • 賃貸物件への引っ越し

などがあります。

医療機関

医療機関はスイッチングコストが大きいサービスの一つです。

特に関係性コストの高さが、スイッチングコストを高める要因になっています。

多くの人にとって、初めて利用する病院は不安が大きいものです。特に体調が悪いなど、何らかの不安を抱えた状態で利用するサービスであるため、医療機関と利用者の関係性は非常に重要なものになります。

見慣れた看護師に、いつも診てくれる医師がいれば、病気に対する不安も緩和されます。そのようにして長期にわたって医療機関との関係性が構築されることで、サービスに対する価値も高まります。

そのため医療機関の切り替えは、よっぽどの不満がない限りほとんど起こることはありません。

賃貸物件への引っ越し

賃貸物件の契約は全てのスイッチングコストが高くなるのが特徴です。

  • 作業コスト@手続きコスト:退去の連絡
  • 探索コスト@手続きコスト:不動産会社選び
  • 作業コスト@手続きコスト:不動産会社とのやりとり
  • 探索コスト@手続きコスト:物件の内覧
  • 作業コスト@手続きコスト:書類の記入
  • 金銭的コスト:敷金・礼金・仲介手数料
  • 作業コスト@手続きコスト:水道光熱の解約
  • 作業コスト@手続きコスト:水道光熱の契約
  • 作業コスト@手続きコスト:荷造り・片付け
  • 金銭的コスト:引っ越し費用
  • 作業コスト@手続きコスト:荷ほどき
  • 関係性コスト:近隣への挨拶
  • 作業コスト@手続きコスト:様々な住所変更手続き
  • 移動コスト@手続きコスト:通勤距離の変化
  • 学習コスト@手続きコスト:ゴミ出しの曜日を覚える
  • 関係性コスト:トラブル時の管理会社とのやりとり

などなど、1回の引っ越しで膨大な量のスイッチングコストが発生します。

これは顧客にとってはとても面倒なことですが、売り手側にとっては様々な場面で顧客からお金を引き出す絶好のチャンスにもなります。

例えば、不動産会社は全てのスイッチングコストに介入することが可能です。

そのため、広告費や仲介手数料はもちろんのこと、引っ越し業者の斡旋や、水道光熱費の中間搾取、インターネットや保険などの各種契約の販売代理など、顧客のスイッチングコストから可能な限りの利益を吸い上げる業者も存在しています。

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