CRM(顧客関係管理)運用上の3つの注意点
CRMを運用するためにはコストだけでなく、様々なリスクも伴います。
それらのリスクの中でも特に注意しなければならないのが、
- 大きな投資が必要
- 個人情報の漏洩リスク
- 関係を望まない顧客の存在
の3つです。
大きな投資が必要
CRMは小さく始めることができますが、事業の規模が大きくなればなるほど、システムや仕組みづくり、社員教育などに大きな投資が必要になります。
CRMのシステムを導入すれば終わりではなく、システムを使いこなせるように従業員の研修を行い、業務の手順をCRMに合わせたものに作り変えなければいけません。
さらに日々の運用コストや、システムトラブルへの対応、メンテナンスやシステムの刷新など、CRMを維持するだけでも多くの予算がかかります。
そのために考えなければならないのがCRMの採算性です。そして採算性を計算するには顧客のライフタイムバリュー(LTV)を計算する必要があります。
ライフタイムバリューを計算すれば、マーケティング予算とともにCRMにどれだけ投資するべきか知ることができます。ライフタイムバリューの計算については、下記の記事も参照ください。
個人情報の漏洩リスク
CRMで個人や企業の情報を扱うということは、その情報が漏洩してしまうリスクが生まれるということです。
どんなにセキュリティ対策を行ったとしても、「絶対に」個人情報が漏れないということはありえません。情報が漏洩する可能性を常に考え、リスクマネジメントを行い、そのリスク対策の費用もCRMの運用コストとして見積もることが重要です。
関係を望まない顧客の存在
CRMでは顧客との接点で顧客とコミュニケーションをとりながら、適切なマーケティング施策を行いますが、中には関係を作ることを望まない顧客も少なからず存在しています。
そのような関係性を拒む顧客には、CRMをすること自体が売り手との関係性を壊すことにもなります。
例えば、コンビニエンスストアでおにぎり一つを買うにしても、氏名や連絡先の提示を求められ、定期的に電話がかかってきたらどうでしょうか? これは極端な例えですが、多くの顧客が問題ないと感じるアプローチでも、極端に嫌がる顧客も存在しています。
そのような顧客がターゲット顧客全体のほんの一部なら問題ありませんが、ある程度存在するようであれば、CRMそのものが適切なのか検討する必要があります。
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