マーケティング・コンセプトとは?5つの志向と歴史の変遷

マーケティング・コンセプト

マーケティング志向(マーケティング・コンセプト)

マーケティング志向(マーケティング・コンセプト)とは、

  • 消費者にふさわしい製品やサービスを届けるべきだ

という視点から、

  • 顧客のニーズを理解する
  • 価値を創造する
  • 価値を顧客に供給する
  • 顧客とコミュニケーションをとる

といったことに経営資源を集中させる考え方です。

このコンセプトに代表されるような現代の「マーケティング」は1950年代の半ばに登場したとされ、成熟した市場に対応するためのコンセプトとして発展しました。(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」p20より)

販売は販売者のニーズに焦点を当てる。一方、マーケティングは購買者のニーズに焦点を当てる。(「HBR マーケティングの教科書 」第8章 マーケティング近視眼 より引用)」というレビット教授の言葉に代表されるように、このマーケティング志向が登場して以降は、顧客の視点に立った経営が注目されるようになりました。

このコンセプトに基づいた製品開発を、製品志向で説明した「プロダクトアウト」に対して、「マーケットイン」と呼びます。

マーケットイン

このマーケットインを実現するために企業は消費者の、

  • ニーズ(Needs):消費者が持つ課題の解決や目的を達成する必要性
  • ウォンツ(Wants):課題や目的を解決するための具体的な手段に対する欲求
  • デマンド(Demands):消費者の支払い能力が伴う特定の商品やサービスに対する需要

について十分理解しなければなりません。

ニーズ・ウォンツ・デマンドの関係

マーケットインでは、消費者のニーズに合わせた製品やサービスを開発しますが、それだけでは消費者に買ってもらうことができないので、

  • 消費者のニーズを顕在化させる
  • 顕在化したニーズを購買欲求(ウォンツ)に変える
  • 顧客の支払い能力を見極め購買需要(デマンド)に変える

ことなどが必要です。

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