マーケティング・コンセプトとは?5つの志向と歴史の変遷

マーケティング・コンセプト

製品志向(製品コンセプト)

製品志向(製品コンセプト)は、

  • 消費者は革新的で特徴のある製品やサービスを求めている

という視点から、

  • より高い品質を追い求める
  • より高い機能を追い求める
  • 製品の改良を重視する
  • 革新的な製品を開発する

といったことに経営資源を集中させる考え方です。

このコンセプトは、多くの企業が同じような製品やサービスを提供し始め、競争が激化し始めた時代に生まれました。

生産志向によって社会の需要に対応できるようになれば、今度は品質や機能で他社と競争するようになります。消費者も同じような価格で同じように手に入る製品があれば、より品質の高いものやより機能の高いものを選びます。

そのため企業は製品を改良し、品質や機能を高めることに注力しようと考えます。このような企業主導で製品開発を行う考え方を「プロダクトアウト」と呼びます。

プロダクトアウト

もちろん製品やサービスの質を高め、改良を重ねることは悪いことではありません。しかし製品やサービスの改良が消費者が求めていない領域にまで行ってしまうと、製品志向の悪い側面が現れます。

このことを1960年に指摘したのが、セオドア・レビット教授の論文「Marketing Myopia(マーケティング・マイオピア、近視眼的マーケティング)」です。

マーケティング・マイオピアとは、

  • 市場の拡大が確実なものと信じ切ってしまう
  • 主要製品に対する代替品が存在しないと考えてしまう
  • 大量生産によるコスト優位性に頼り切ってしまう
  • 研究開発・製品改善・製造コスト削減に夢中になってしまう

などのことによって、既存製品を中心に考える「製品志向(product-oriented)」に極端に傾倒してしまう状態のことです。

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