販売志向(販売コンセプト)
販売志向(販売コンセプト)とは、
- 何も行動しなければ消費者は製品やサービスを買ってくれない
という視点から、
- 新しい市場を開拓する
- 積極的に販売を行う
- 積極的に広告などのプロモーションを行う
といったことに経営資源を集中させる考え方です。
販売志向は、先ほど説明した製品志向と同じ時代に登場したコンセプトであり、
- 大量に生産されたものをいかに売りさばくか
を重点に置いています。
二つのコンセプトを比較すると、
- 製品志向:製品やサービスそのもので差別化をする
- 販売志向:売り方によって差別化する
という違いになりますが、いずれも競合他社に打ち勝つために生まれたコンセプトです。
通常は、同じ値段であればより品質の高いものやより高機能のものが選ばれるため、製品志向でもある程度は戦えます。しかしその差別化も業界全体で頭打ちになってくると、今度は売り方によって差別化をしなければならなくなります。
そのため販売志向によって、売り方も発展しました。
代表的な例としては、
- アップセル:顧客に上位の商品をすすめること
- クロスセル:顧客に関連する商品をすすめること
などの客単価を高めるための手法があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
近年でも販売志向の強い商品としては、保険や金融商品などの内容そのもので差別化がしにくいサービスが挙げられます。
また大量に消費される日用品なども該当します。これらの製品やサービスは、消費者の視点からは得られる価値や機能がどれも同じように見えてしまいがちなので、販売志向で戦わなければならない場面が多くあります。