SWOT分析の外部環境=コントロールできないもの
次にSWOT分析で必要なのは、外部要因(外部環境)の範囲のとらえ方です。
外部要因(外部環境)をわかりやすく表現すると、
- 戦略を実行する人たちが意図的に状況を変えることができない物事
になります。
この「戦略を実行する人たち」というのは、
- 企業戦略(全社戦略)であれば会社全体
- 事業戦略であれば事業部の人たち
- 機能戦略(機能別戦略)であれば人事や営業など機能を担う人たち
のことです。
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SWOT分析では、単純に「外部要因(外部環境)」として「社外で起こっていること」と大雑把にくくられることが多いかと思います。
わかりやすい内容としては、政治や経済など世の中の移り変わりです。世の中の流れは自分たちだけでは、どうにもできないことがほとんどです。そういった事柄は「外部要因(外部環境)」としてすぐに判断できると思います。
しかし実際の現場で運用する場合は、それだけの認識では不十分なことがあります。
例えば事業Xの事業戦略として、
- 製品Aの売り上げを前年比で1.5倍にする
という目標があったとします。
もし企業戦略(全社戦略)として、
- 事業Xの年度予算を大幅な減額が取締役会で決まった
という場合は事業部にとっては「外部要因(外部環境)」と考えても良いかもしれません。
なぜなら、取締役会で決定したことをひっくり返すのは難しいからです。つまり事業部だけでは、意図的に状況を変えることができません。
それでも、
と考えるかもしれません。
そのような時には「意図的に状況を変える」ことができるかどうか考えてみてください。
例えば、
- 広告予算が少ない
という事実があって、これを事業部が意図的に変えられるなら内部要因だと思います。例えば事業部が別で予算自体を持っていて、そこから追加で広告費を出せるなら状況を変えることができます。
しかし事業部そのものの予算が半分になれば、無いものを増やすことはできません。そういった意味で、事業部の「外部」の要因が影響していると考えます。
このようにSWOT分析の機会と脅威を考えるときには、
- 戦略を実行するのは誰なのか
を軸にして「内部」か「外部」か判断してみましょう。