ホリスティック・マーケティングとは?4つの要素と3つのテーマ

ホリスティック・マーケティング

ホリスティック・マーケティング:3つのテーマ

ホリスティック・マーケティングでは、

  • 価値探求:どうすれば新しい価値の機会を見出せるのか?
  • 価値創造:どうすれば価値提供物を効率よく創造できるのか?
  • 価値提供:どのように経営資源を使えば価値を効率よく提供できるのか?

という3つのテーマに沿ってマーケティング活動を設計します。(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」p50 より)

価値探求

市場も顧客も常に一定ではなく、変化し続けるものです。そのため提供すべき価値も変化し続けます。

そのため、

  • 顧客や市場の変化を見逃さない
  • 企業の持つ経営資源の変化を把握する
  • パートナーに起きている変化を理解する

ことが重要になります。

企業はすべての変化を知った上で「どうすれば新しい価値の機会を見出せるのか?」を考えなければいけません。

価値創造

環境の変化を知って「新しい価値の機会」をつかんだとしても、それを利用するためには価値を創造するスキルがなければ、顧客に価値を提供することはできません。

「新しい価値の機会」つまり顧客に価値を提供できる新しい視点を手に入れたのであれば、企業はコアコンピタンス(製品やサービスの源になる中核的な技術)を活用して、今までとは違った価値を創造しなければなりません。

コアコンピタンスには、

  • いくら使っても消えない
  • 利用され共有されるたびに強化されていく
  • 既存事業同士を結合させる接着剤になる
  • 新規事業を創造する原動力になる

といった特徴があります。(戦略論 1957-1993 (HARVARD BUSINESS PRESS) の第8章より引用)

企業はコアコンピタンスを利用することで、社内の経営資源を組み合わせ、必要があれば事業と事業を結合し、外部パートナーと協力しながら新しい価値を創造します。

価値提供

新しい価値の機会」をつかみ、「新しい価値を創造」できれば、今度は顧客にその「価値を提供」しなければなりません。

顧客との関係性を保ち、顧客がどんなニーズやウォンツを持っているのか把握するためには、CRM(顧客関係管理)を行うことが必要になります。

また価値の提供は、1つの企業だけでは完結できない場合も多いため、外部パートナーとの価値提供のためのインフラ(ケイパビリティ)を整えることも、他者との競争力の強化に役立ちます。

ホリスティック・マーケティングまとめ

以下は、ここまで説明した内容を簡単にまとめたものです。

ホリスティック・マーケティングってなに?

ホリスティック・マーケティングとは、

  • マーケティングに関わるすべての関係性を包括的に理解して活動を実行する

ことで、具体的には、

  • 関係者と長期的な関係を保つ
  • みんなでWin-Winの関係を築く
  • マーケティング活動全体を連携させる

などの活動を行うことです。

ホリスティック・マーケティングの4つの要素とは?

ホリスティック・マーケティングを構成する4つの要素は、

です。

それぞれの活動に取り組みながらも、マーケティング全体の整合性が取れるように考えることが重要です。

ホリスティック・マーケティングの3つのテーマとは?

ホリスティック・マーケティングの活動を設計するためには、

  • 価値探求:どうすれば新しい価値の機会を見出せるのか?
  • 価値創造:どうすれば価値提供物を効率よく創造できるのか?
  • 価値提供:どのように経営資源を使えば価値を効率よく提供できるのか?

という3つのテーマに沿うことが重要です。

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