精緻化見込みモデル:周辺的ルート(感情的関与)
精緻化見込みモデルの周辺的ルート(感情的関与)による説得は、
- 肯定的手がかり
- 否定的手がかり
といった、「周辺的手がかり」と呼ばれる感情に訴える情報で判断を促します。
具体的には、
- 広告のイメージや印象
- 製品やサービスに対する評判
- 製品やサービスへの親近感
- 製品のパッケージ
- お店の雰囲気
- スタッフの接客態度
などといった論理的情報以外ものが「周辺的手がかり」になります。
周辺的手がかりは理屈ではなく、消費者の感情や感覚に対して直接訴えかけます。
先ほどのパソコンの購入で具体例を挙げると、
- 「このパソコンは値段が高いから性能も良さそう!」
- 「このパソコンのCMを最近よく見かけるから気になる」
- 「このパソコンは仕事の出来る先輩が使ってる機種と同じだ!」
- 「このパソコンは親切な店員さんが勧めてくれるんだから間違いないだろう」
- 「赤いパソコンが欲しかったから、このパソコンに決めた!」
といった判断でパソコンを買う顧客が、周辺的ルートでの購買決定になります。
また、上記の例は「肯定的」な周辺的手がかりですが、
- 「このパソコンのメーカーは聞いたことがないから辞めておこう」
- 「店員の接客がダメだからこの店ではパソコンを買わないでおこう」
といった「否定的」な周辺的手がかりも消費者の購買に影響します。
これらの周辺的手がかりは、外部探索による、
- 個人的情報源:家族、友人、知人、同僚、SNSの書き込みなど
- 商業的情報源:広告、ホームページ、販売員、パッケージなど
- 公共的情報源:マスメディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)など
- 経験的情報源:試供品、試乗、試用、体験、デモンストレーションなど
などから得た情報や、
- 第一次準拠集団:家族、友人(オンライン含む)、隣人、同僚など
- 第二次準拠集団:職場団体、労働組合、宗教団体など
- 願望集団:そこに属したいと思っているグループ
- 分離集団:価値観や態度を受け入れられないグループ
などの準拠集団の強く影響します。
どんな消費者も、初めは製品やサービスに対して十分な知識がなく、比較検討する意欲も高いわけではありません。また食料品や日用品などは、見た目やブランドイメージなどの周辺的ルートのみでの判断されることも多くあります。
そのためどんな製品やサービスであっても、まずは周辺的ルートからの情報を提供し、消費者の知覚プロセスを通して記憶に残してもらうことが重要です。
だいぞう
周辺的ルートは、高い買い物でも有効なのがとっても恐ろしいところ。
自動車・住宅・保険など、人生における大きな出費でも、ブランドイメージだけで買ってしまう人はたくさんいます。
「営業さんが良くしてくれたから」「CMでよく見かけるから」なんて理由で、数百万円、数千万円のお金が動いてしまいます。
だからこそ、そういった商品やサービスは広告費に莫大なお金をかけるわけですね。論理的に検討する人は意外に少ないのです。