…と、ここまでの流れは関与度が高い消費者の場合の情報探索で見られるものです。
多くの消費者は、日々の購買決定で上記で説明した内容の一部のみを行ったり、全く情報収集を行わないこともあります。
そのようなバラバラな消費者の行動を大まかに分類すると、
- 定型的問題解決:すでに十分な知識があるので購買決定に時間をかけない
- 限定的問題解決:十分な知識がないため購買決定にある程度時間をかける
- 拡大的問題解決:知識が不足しているため購買行動に時間をかける
の3つのパターンに分けることができます。
定型的問題解決
定型型問題解決を行う消費者は、関与度が低い製品やサービスに対してあまり時間をかけずに購買決定を行います。
製品やサービスに対して特にこだわりがないものの、安価であったり何度も買っていて十分な知識がある場合などは、いつも同じように(定型的に)購買を行います。
先ほどの例では、「トイレットペーパーなんて安ければ何でもいい」と思っている消費者が定型的問題解決に該当します。いつものお店で「一番安いトイレットペーパー」を定型的に購買します。
限定的問題解決
限定的問題解決を行う消費者は、中程度の関与度の製品やサービスに対して、ある程度の時間をかけて購買決定を行います。
強いこだわりがあるわけではないけど、適当に選ぶわけにもいかない場合などは、情報探索にある程度限定的に時間をかけます。
例えば、会社の飲み会の幹事を頼まれた消費者は、普段は飲み屋への関与度が低かったとしても、失敗するリスクを避けたいので、ある程度の情報収集を行います。これは飲み会といったイベントによって一時的に消費者の関与度が引き上げられた状態であり、消費者は限られた時間でそれなりの外部探索を行います。
拡大的問題解決(発展的問題解決、包括的問題解決)
拡大的問題解決を行う消費者は、関与度が高い製品やサービスに対して、十分な労力や情報収集を行います。
問題を解決するための情報が不足している上に、情報収集に時間と労力をかけなければならないようなリスクがあるケースが該当します。
例えば先ほどのパソコンを買おうとしていた消費者は、パソコン選びに失敗すると金銭的なリスクや利便性の低下による生産性のリスクを負ってしまう可能性があります。
そのため、
- パソコンメーカーの違いがわからない
- パソコンの機能一覧の内容が理解できない
- 必要なパソコンソフトがわからない
などといった状況であれば、購買によるリスクを下げるために十分な情報収集を行います。