Memory(記憶):消費者が製品やサービスのことを思い出す
Memory(メモリー、記憶)のフェーズでは、
- 状態の変化:忘れている → 思い出す
- 広告の役割:製品やサービスを思い出させる
- アプローチ:消費者に忘れられる前に念押しする
ということが必要で、
- 製品やサービスを消費者に思い出させて記憶に定着させる
が広告の目的です。
消費者は広告によって刺激を与えた時には、「気になる」「欲しい」といった感情が生まれます。しかし時間が経てばその感情もなくなってしまいます。そしてそのまま製品やサービスのことを完全に忘れ去ってしまえば、それまでに打った広告が無駄になってしまいます。
そうならないためにも、製品やサービスのことを「忘れている」「忘れかけている」といった状態の消費者に広告で刺激を与えることで、「思い出させ」て完全に忘れてしまうことを防ぐことが必要です。
ここでは知覚プロセスの、
- 選択的記憶:人は自分の態度や信念を裏付ける情報を記憶する傾向がある
という考え方が重要になります。
消費者は広告などで情報を与えても、消費者自身にとって不要な情報は忘れ去ります。
では逆に消費者に必要な情報は何なのかというと、
- 消費者自身の「信念」「態度」「価値観」などに沿った情報
です。
わかりやすく言えば、消費者の、
- 信念:物事に対して正しいと信じている心
- 態度:物事に対する外面に現れた振る舞いや反応
- 価値観:物事の価値の有無を判断する基準や見方
と一致するような広告内容であれば、記憶に残りやすいということです。
例えば、ある消費者が空気清浄機を検討しているときに、
- 信念:家電製品は国内メーカーが間違いない
- 態度:インターネットの追跡広告は嫌い
- 価値観:空気清浄機は加湿機能がなければ意味がない
と考えていれば、
- 空気清浄機が国内工場で生産されていること
- インターネット広告以外の広告手段を利用すること
- 空気清浄機に加湿機能がついていること
を満たす広告は、その消費者の記憶に残りやすいと言えます。
もちろん「信念」「態度」「価値観」は消費者ごとに様々であり、全ての消費者を満足させる広告を打つことはできません。しかしメインのターゲット層のマーケティングリサーチを行うことで、ある程度の範囲まではカバーすることが可能になります。