AIDMAは古いのか?
結論から言えば、
- 消費者の普遍的な反応であるため普遍的である(=古くならない)
と考えます。
特にAIDAとAIDMAに共通する、
- Attention(注意):消費者が製品やサービスの存在に気づく
- Interest(関心):消費者が製品やサービスを気になりはじめる
- Desire(欲求):消費者が製品やサービスを欲しくなる
- Action(行動):消費者が製品やサービスに対して行動する
という要素は、現代であろうと数百年前であろうと変わりません。
人はニーズを解決するものがあれば、意図的に注意が向けられ、関心を持ち、欲しくなったら手に入れようとします。これらの反応はいつの時代も普遍的です。
技術に依存するAISASは古くなる
一方で、「検索する」「共有する」といったインターネット特有の消費者の反応を含んでいる「AISAS(アイサス)」は、次の時代が到来したら陳腐化するかもしれません。
例えば、次の時代に消費者は検索することなく、自身の行動から推測された必要な情報を手に入れることができるようになれば「検索する」という行為は消えるでしょう。
また情報を共有することなく、自身の行動が他者の受け取る情報に影響を与えることができるなら、「共有する」という行為は無くなってしまうかもしれません。
このように「検索する」や「共有する」といった技術に依存した行為は、技術が廃れることで世の中から消えていきます。
逆にAIDAやAIDMAのように、各項目が消費者自身で完結するものについては、人間の普遍的な行為なので古くなってしまう心配は少ないはずです。
だからこそ、18世紀末に生まれたAIDAモデルの考え方が現代でも通用するのです。
ちなみに2005年に登場した「AISAS(アイサス)」は、インターネットの発展とともに消費者行動が変化して時代にそぐわなくなってきました。
そのため2015年には、アタラ合同会社の「Dual AISAS(デュアル・アイサス)モデル」というものも登場しています。(こちらも商標登録されています。)
おそらくこの「Dual AISAS(デュアル・アイサス)」も一時的には使えても、また消費者行動が変化すれば役に立たなくなってしまうでしょう。
企業を担うマーケターとしては、広告代理店やコンサルティング会社が提唱するフレームワークが、
- 普遍的な人の行動に則した考え方であるか?
- 時代の変化にも対応できるか?
ということも考えながら、「流行り言葉」や「バズワード」に振り回されないように注意することが必要です。
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