ターゲティング戦略その2:製品専門化戦略
単一の製品を、複数の市場セグメントに対して提案するのが「製品専門化戦略」です。
製品専門化戦略では、
- 複数の市場セグメントに販売できる1種類の製品に経営資源を集中させる
というターゲティング戦略です。
これはアンゾフ・マトリックスでは「市場浸透戦略」と「市場開拓戦略」を同時に行うようなイメージになります。
市場開拓戦略は、
- 新しい市場で既存製品を広めて新たな市場ニーズに対応する戦略
であり、手元にある製品を様々な市場セグメントで活用し尽くす方法です。
製品専門化戦略の例としては、
- 個人向け製品を業務用として法人にも販売する
- 業務用製品のパッケージを変えて個人向け製品として販売する
などがあります。
同じ製品を売るんですが、マーケティングミックス(4P)は流通チャネルを変えたり、製品の見た目を変えたりと、市場セグメントごとに調整を行います。
このような方法は、食料品、日用品、インフラ(電気・水道・ガス・通信など)などで良く見られます。
この製品専門化戦略の最大のメリットは、
- 規模の経済によるコスト削減
が期待できること。
規模の経済とは、
- 生産の規模が大きくなればなるほど製品1つあたりの平均コストが下がる状況
のことです。
単一の製品を限られたセグメントの人たちだけに売れば、生産する数も限られてしまいます。
しかし、複数の市場セグメントに対してマーケティングすることが可能であれば、生産数を伸ばすことができ、その結果として生産コストを大きく引き下げる可能性があります。
一方で、製品以外のマーケティングミックス(4P)は市場セグメントごとの対応となるため、マーケティングコストの効率化はあまり進みません。