事業戦略とは?戦略事業単位(SBU)ごとに機能を統合する戦略

事業戦略の立案

事業戦略は全社戦略を実現するために存在しています。全社戦略で掲げた戦略目的や戦略目標につながらない事業戦略は、戦略として意味がありません。そのため、経営理念に基づいた全社戦略が存在していなければ、事業戦略を立案することはできません。

事業戦略を立案するためには、まず経営理念を再確認します。その上で全社戦略の目標や目的を達成するために、事業分野としてはどのような状態になることが理想なのか考えます。その上で事業の単位としての目的や目標を設定します。

目的と目標の違いとは?具体例と方針・手段・戦略・戦術との関係性

次にその事業で自由に使える経営資源を確認します。事業部に割り振られたヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源の最小限の消費で、戦略目的や戦略目標を達成することが事業部長の役割です。

経営資源とは?ヒト・モノ・カネ・情報との違い

もちろん全社戦略として、経営者が適切な経営資源を配分していることが前提になります。経営資源を分析する方法には、VRIO分析があります。

VRIO分析とは?やり方と具体例をフレームワークでわかりやすく図解

またその事業分野を取り巻く外部環境の分析も、同様に必要となります。外部環境の分析方法としては「PEST分析」や「ファイブフォース分析」などがあります。

PEST分析とは?外部環境分析のやり方:無料テンプレートあり ファイブフォース分析とは?やり方と分析例:無料テンプレートあり

事業戦略では、事業に必要な機能がそれぞれどのような目標を達成するかも決めます。またそのために必要な経営資源の割り当ても行います。その各機能が戦略目標を達成するために立案するのが、機能戦略(機能別戦略)です。

もし重要な機能戦略に経営資源が不足していれば、それは事業戦略のミスになります。経営資源を割り振るだけでなく、その配分が機能戦略にとって適切なのかを確認することが重要です。

事業戦略のフレームワーク

事業戦略を考えるための代表的なフレームワークは、下記のものがあります。

アンゾフのマトリクスとは?市場浸透・市場開拓・製品開発・多角化戦略 ポーターの3つの基本戦略とは?コスト・差別化・集中の意味と事例を解説 コトラーの競争地位4類型:リーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの戦略 クロスSWOT分析とは?SO戦略・ST戦略・WO戦略・WT戦略とテンプレート

時代の変化と事業単位の変化

時代とともに、事業分野のあるべき姿は変化します。ニーズや需要の変化で、事業そのものがなくなることもあります。技術の進歩で、事業分野の境目がなくなることもあります。

インターネットの黎明期では、様々な業種で「インターネット事業部」が独立して存在していました。そのため、インターネット事業の戦略というものが生み出されました。前述の例で言えば「インターネットを利用する特殊な顧客」として、顧客グループ単位の事業戦略を採用していました。

しかし成長期から成熟期にかけて、インターネット上で物を売ったりサービスを提供することが当たり前になりました。そうすると今度は、実店舗もインターネットも同じ顧客として考えるようになります。

店舗とネットショップやネットサービスを、別々に戦略を練ってしまうと整合性を維持しづらく、不都合も増えてきました。そのためインターネットの戦略は、インターネットを主体とする企業以外では、事業戦略の下位の機能戦略(マーケティング戦略など)の一部として扱われることも増えました。

このように、環境の変化によって事業の単位自体も変わる必要があります。事業の単位が変われば、戦略も大きく変化します。事業戦略の先には、上位の企業戦略が存在します。そして企業戦略は上位概念の経営理念の実現が目的になります。そのことを常に忘れず、事業戦略を実行することが大切です。

おすすめの書籍

事業戦略の基本を学ぶには、バーニー教授の「企業戦略論 中 事業戦略編」がおすすめです。

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