SWOT分析の内部環境(強み・弱み)の考え方

SWOT分析の内部環境=意図的に利用できるもの

もうひとつSWOT分析で考えなければならないのは、内部要因(内部環境)の範囲のとらえ方です。

内部要因(内部環境)を端的に表現すると、

  • 戦略を実行する人たちが意図的に利用できる物事
  • 自社の仕組みと密接に連携している外部関係者も含めた能力

になります。

まず1つ目の「戦略を実行する人たち」というのは、

のことです。

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要するに戦略の実行メンバーのことですが、社内外にかかわらず戦略実行メンバーが意図的に利用できる物事は「内部要因(内部環境)」と捉えることができます。

例えば、営業戦略としてある事業の営業部長が、別の事業部の営業担当者を自由に使えるなら、それは内部要因(内部環境)と言えます。しかし勝手に別の事業部の営業担当者を引っ張ると怒られるのであれば、それは内部要因(内部環境)ではありません。

2つ目の内部要因(内部環境)の考え方は、「外部関係者も含めた能力」についてです。

例えば、外部の原料生産者や外部の物流業者としっかりと統合された生産能力を持っているとします。この社内外の緊密な連携は、全ての工程が一体として機能するため、社内外で切り分ける意味はありません。このような社内外の連携によって実現できる能力を「ケイパビリティ」と呼びます。

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RBV(リソース・ベースド・ビュー)と呼ばれる企業の経営資源に着目した戦略構築で有名なバーニー教授も、著書の中で「経営資源という語とケイパビリティという語は同義語として扱う。(企業戦略論 上 基本編 p245)」と述べているように、経営資源と一体のものと認識するのが一般的です。

つまり単純に社内にある「経営資源」だけではなく、社外との連携で実現された能力(ケイパビリティ)も含めた上で、「内部要因(内部環境)」を認識する必要があります。

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