マーケティング志向(マーケティング・コンセプト)
マーケティング志向(マーケティング・コンセプト)とは、
- 消費者にふさわしい製品やサービスを届けるべきだ
という視点から、
- 顧客のニーズを理解する
- 価値を創造する
- 価値を顧客に供給する
- 顧客とコミュニケーションをとる
といったことに経営資源を集中させる考え方です。
このコンセプトに代表されるような現代の「マーケティング」は1950年代の半ばに登場したとされ、成熟した市場に対応するためのコンセプトとして発展しました。(「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版 」p20より)
「販売は販売者のニーズに焦点を当てる。一方、マーケティングは購買者のニーズに焦点を当てる。(「HBR マーケティングの教科書 」第8章 マーケティング近視眼 より引用)」というレビット教授の言葉に代表されるように、このマーケティング志向が登場して以降は、顧客の視点に立った経営が注目されるようになりました。
このコンセプトに基づいた製品開発を、製品志向で説明した「プロダクトアウト」に対して、「マーケットイン」と呼びます。
このマーケットインを実現するために企業は消費者の、
- ニーズ(Needs):消費者が持つ課題の解決や目的を達成する必要性
- ウォンツ(Wants):課題や目的を解決するための具体的な手段に対する欲求
- デマンド(Demands):消費者の支払い能力が伴う特定の商品やサービスに対する需要
について十分理解しなければなりません。
マーケットインでは、消費者のニーズに合わせた製品やサービスを開発しますが、それだけでは消費者に買ってもらうことができないので、
- 消費者のニーズを顕在化させる
- 顕在化したニーズを購買欲求(ウォンツ)に変える
- 顧客の支払い能力を見極め購買需要(デマンド)に変える
ことなどが必要です。