リレーションシップ・マーケティングとは?意味と具体例

従業員とのリレーションシップ・マーケティング

従業員との関係性を構築することを「インターナル・マーケティング」と呼びます。

インターナル・マーケティングは従業員に対して

  • マーケティングの観点から社内業務を提供して従業員満足度(ES)を高める
  • マーケティング戦略への理解を促して全社的な協業体制を築く

などを行います。

特にリレーションシップ・マーケティングでは、後者の「マーケティング戦略への理解を促して全社的な協業体制を築く」ことが重要になります。

いくら優れたマーケティング戦略があったとしても、それを実行するのは従業員です。

そのため、従業員がマーケティング活動を十分に理解することは、円滑なマーケティング活動に欠かせません。

パートナーとのリレーションシップ・マーケティング

マーケティング活動を担うのは、製品やサービスを提供する企業だけではありません。

その製品やサービスを生み出すために原材料を提供する供給業者や、製品やサービスを流通させるための流通業者や小売業者、そしてプロモーションを行うための広告代理店など、マーケティング戦略を成功させるために社外の様々な立場の人や組織が連携して動く必要があります。

しかしこれらの社外パートナーとの連携は、一朝一夕では実現することはできません。

日頃からのコミュニケーション協業が、パートナーとの強い関係性を築くために重要になります。

そしてパートナーとの連携力が、競合他社が真似しにくいほどに洗練させれば、その連携力が競争優位性となります。この連携による競争力のことを「ケイパビリティ」と呼びます。

下図は社外のパートナーとの連携によるケイパビリティの一例です。

ケイパビリティ・チェーン

ケイパビリティについての詳しい情報は、こちらの記事もご覧ください。

財務メンバーとのリレーションシップ・マーケティング

マーケティング活動で忘れてならないのは、活動資金の調達です。お金がなければマーケティング施策の選択肢も少なくなってしまいます。

多くの従業員にとっては、

  • マーケティング予算は与えられるもの

かもしれません。

しかしプロジェクトの責任者や管理職にとっては、予算の獲得利益の確保も重要なマーケティング活動の一つです。

さらに経営者やマネジメント層にもなれば、マーケティング活動の資金をどこから調達してどの程度の予算を与えるか考えなければなりません。

このような財務活動に関わるマーケティング活動に関しては、

  • 株主
  • 投資家
  • 銀行

などの財務メンバーとの関係性が重要になります。

例えば、マーケティング活動が短期的に利益が上がらないことが予測されれば、会社に出資している株主の理解を得なければいけません。

また誰も成し遂げたことのないような事業への投資を行うためには、投資家にマーケティング戦略の趣旨を理解してもらい、資金の提供をお願いしなければならないかもしれません。

あるいは、生産活動を強化するために銀行から追加の融資を受ける必要があるかもしれません。

このような場合に、財務メンバーとの日頃の良好な関係性の構築がマーケティング活動に大きく影響します。そのため、マーケティング活動では財務メンバーとの関係性を構築することも必要です。

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