アンゾフのマトリクスとは?市場浸透・市場開拓・製品開発・多角化戦略

アンゾフのマトリクスの使い方

ここからは、実際に会社などでアンゾフマトリクスを作る手順を説明します。

ちなみにここで使用するのは以下の「アレンジ版」のマトリクスです。

製品市場戦略マトリックスと戦略

縦軸と横軸をみていただけるとわかりますが、

  • 製品ライン → 商品・サービス
  • 市場(製品使命)→ 市場ニーズ

と置き換えています。

ここまで説明したオリジナル版のアンゾフマトリクスと若干異なりますが、現代風の言葉を使っているだけで考え方に違いはありません。

なお、製品市場戦略マトリクスのテンプレートは、こちらからダウンロードできます。登録不要でご利用いただけます(メールアドレスなど不要)。

アンゾフのマトリクスのテンプレート(無料:パワーポイント形式)

ステップ1
市場ニーズ調査の結果を整理する

横軸の新しいニーズを検討するためには、まだ対応できていない市場ニーズの一覧が必要です。事前のマーケティング調査やアンケート調査の結果を整理して、製品市場戦略マトリクスで使えるように準備をしておきましょう。

マーケティングリサーチ マーケティングリサーチとは?探索型・因果型・記述型の調査とその流れ

加えて、会社の理念やミッション(使命)への近さで順位付けすれば、アイデア出しの優先度も決めやすくなります。

市場ニーズ調査の結果を整理する

経営理念(ミッション・ビジョン・バリュー)の決め方については、こちらの記事も参考にしてください。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)策定フレームワーク:MVVB分析

ステップ2
戦略立案メンバーを集める

戦略立案のメンバーは、自社の経営資源をある程度把握している必要があります。使える経営資源を知っていれば、新しい商品やサービスのアイデアも湧きやすくなります。

ただし必ずしもベストメンバーが集まれるとも限りません。状況に応じて、集めるメンバーを決めましょう。

  • 現実的に6戦略の全てを検討したい → 経営資源を把握しているメンバーを複数人集める
  • 会議のネタやアイデアレベルでOK → ひとりまたは集まれる人のみ

もし自社の経営資源を具体的に把握していないメンバーが多く集まる時には、そのメンバーで事前にVRIO分析を行うと理解が深まります。

VRIO分析とは?やり方と具体例をフレームワークでわかりやすく図解

ステップ3
戦略のアイデアを出し合う

製品市場戦略マトリクスを、そのままアイデア出しに使うことはできません。それぞれの戦略を個別に検討する必要があります。

  • 市場浸透戦略 → 一般的なマーケティングの会議を行う
  • 製品開発戦略 → 対応中の市場ニーズを1つずつ検討する
  • 市場開拓戦略 → 既存商品を市場ニーズに合わせた訴求方法を考える
  • 垂直多角化戦略 → 内製化やM&Aの検討会議を行う
  • 水平多角化戦略 → 未対応の市場ニーズを解決する方法と実現する手段を考える
  • 外側多角化戦略 → 会社の理念や経営者の好みにあった事業の情報収集をする

市場浸透戦略は一般的なマーケティング戦略を練ることになるので、こちらでの説明は割愛します。

製品開発戦略や市場開拓戦略を行う場合は、現在の経営資源で「開発力に余裕がある」のか「営業力に余裕がある」のかで順番を決めます。

  • 開発力に余裕がある → 製品開発戦略から検討する
  • 営業力に余裕がある → 市場開拓戦略から検討する

アイデア出しでは、ホワイトボードや模造紙に付箋を貼っていきましょう。

製品開発戦略と市場開拓戦略

製品開発戦略では、現在の商品やサービスがターゲットとしている市場ニーズを書き出し、それに対するアイデア出しをしていきましょう。

ニーズ ニーズとは?潜在ニーズ・顕在ニーズの違いと意味を解説

市場開拓戦略では、まず現在の商品やサービスと対応している市場ニーズを書き出します。そして未対応のニーズを会社の理念やミッションに近い順に上から列挙し、どのように訴求を行うかアイデアを出します。

水平多角化戦略

水平多角化戦略は、製品開発戦略も市場開拓戦略もやり尽くしている場合に行います。未対応の市場ニーズを会社の理念やミッションを達成しやすい順に上から列挙し、それに対する解決方法のアイデアを洗い出します。そして最後に、その解決方法を実現できる商品やサービスのアイデアを出します。

ステップ4
アイデアを整理する

アイデアがで尽くしたら、メンバーでアイデアを整理しましょう。

  • 貼り付けた付箋をグループ化する
  • グループ化したアイデアで実現性の優先度をつける

これらの作業ができたら、パワーポイントのスライドや書類にまとめます。まとめる場合には、次の内容を含めるようにしましょう。

  • 会社の理念やミッション
  • 戦略名
  • 対応する市場ニーズ
  • 具体的な商品やサービスの内容
  • 戦略実行に必要な経営資源
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